社会科学系の学術的な論文集なのですが,携帯電話フリークや通信業界に身を置く方は必読ではないでしょうか.
自動車産業などに比べると携帯電話産業は短期間に非常に大きな変化を遂げてきた産業ですので,1つの産業の発展形態を凝縮して観察することができるよい例です.本書では,日本や世界の携帯電話産業がどのように発展して,ガラパゴス化と言われるような日本の孤立がどのようにして生まれてきたのかという事を分析しています.そして,本書のもっとも大きな特徴は中国の携帯電話業界の動きを詳細に論じているところでしょう.
ご存じのとおり,中国は携帯電話産業では後発です.それが今ではTD-SCDMAという自前の第3世代携帯電話規格を持つまでになっています.このような状況は,市場動向にあわせて開発体制やビジネスモデルをうまく変えて適応することによってなされたもののようです.是非どうぞ.