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22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
業界への遠慮のない、痛快な一冊,
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レビュー対象商品: 推理小説の誤訳 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 7-1) (文庫)
日弁連副会長まで勤めた弁護士が、ミステリーの誤訳を指摘し修正していくという本で、著者が英文学者ではないから、業界への遠慮が全くないのが痛快である。おそらく専門の翻訳家が同業の翻訳者の間違いを細かくあげつらうのには当然抵抗があるだろうが、筆者は翻訳業界の外部にいるのだから、何にも怯えず、ストレートに大家の誤訳も指摘する。序文で丸谷才一の英語誤読以前の日本語の乱れを指摘するくらいだ。 著者によると、文庫本一冊で約50の誤訳があるという。 誤訳に至った理由も推測しながら、誤訳を鮮やかに論理的に説明する文章は、英語の勉強にも適している。注目すべきは、きちんと辞書を読めば解決するような誤訳ばかりだという。専門家の陥りやすい罠について、著者はよく理解している。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
結局,辞書を丹念に引きなさい。,
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レビュー対象商品: 推理小説の誤訳 (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 7-1) (文庫)
「推理小説」も「誤訳」も私の脳に反応することば。実は時間がないところで,書店で目にした数冊を購入という暴挙に出たためこの本の出自をよく確かめずに購入しました。「推理小説」とはクリスティーとコナン・ドイルと知ったのはバスの中で読み始めた文庫本前書きで。さらにこの本の初版は1983年で,文庫本が2007年とのこと。奥付は2008年。新装版で,もとが30年も前の誤訳だと知ったのが遅すぎました。確かに指摘された誤訳は結構初歩的で,ごまかしあり,誤解あり,ということは納得。ただし,30年以上も前。ここで遡上に上げられた大家たちのおおよそ50年前の業績です。当時の翻訳環境を考えれば,ワープロもなく,インターネットもなく,イギリス事情にせよ,著者が鬼の首をとったように指摘する「常識」にせよ,確認するのが至難な時代でした。今とは翻訳環境が違いすぎます。原稿用紙に膨大な日本語を書き連ねた大家たちの姿を思い浮かべると頭が下がります。その時代の翻訳について指弾するのはなかなか大変だと思いました。 その著者も辞書は研究社の大英和とConcise Oxford Dictionaryのほぼ2冊だけで,誤訳を摘発,これも大変立派だと思います。きちんとした翻訳にそれほどの道具は必要ないのだと教えてくれます。 この誤訳指摘の教訓は一つ,丹念に辞書を確認しなさい。イギリスの「推理小説」が対象ですので,くれぐれも現在の探偵小説やら推理小説の誤訳について知ることができるとは思わないように。 帯やら端書きを読めばそんな勘違いをする人はいないはずですが(^_^;) それから,これだけ書くなら,その書いたものに対する批判も覚悟する必要があります。途中から気になって付箋を入れましたが,必ずしも訂正した日本語が正解とは思えない項目もありました。
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