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商品の説明
内容紹介
「EQMM」(エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン)初代編集長をつとめ、 「ショート・ショート」を世に知らしめ、 「007」を日本に紹介し、 SF、モダン・ホラーを日本に定着させるのに尽力し、 『黄色い部屋はいかに改装されたか?』などの評論では、 つねに推理小説界に波紋を呼び起こしてきた、 推理作家・都筑道夫の 半自伝エッセー。 第54回日本推理作家協会賞 (評論その他の部門)受賞!
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形式:単行本
著者が「ミステリマガジン」に連載したエッセイであり、著者の幼年期からミステリ作家としてまでの自伝といった感じのものである。
上巻の前半、特に戦争時のあたりは、個人的には面白くなかった。しかし、このような体験が作家都筑のもとになったことを考えると、読んでおく必要がある。そして上巻の後半、戦後の作家スタートからは、正岡容、大坪砂男、その他の作家、編集者、ミステり関係者等々が登場し、がぜん話が面白くなるる。ある種、出版業界裏ばなし、とでもいえるようなエピソードも満載である。
本エッセイが連載されていた昭和五十年代ごろから、著者のミステリ作品はどんどんライトテイストが強くなっていった。たぶん社会派企業情報ミステリ全盛の状態で、著者が志した「謎と論理のエンタテインメント」があまり評価されないことで、テンションが下がっていたのであろう。
本書を読むと、綾辻登場以降の新本格の隆盛が五十年代前半だったら、著者がどのようなミステリ作品を残したであろうかと、ふと考えていまう。ミステリの創作には気力と体力が必要であるため、ベテランといわれる作家諸氏の長編作品を見ることは、ほとんどない。牧「完全恋愛」や土屋「人形が〜」などは、例外中の例外といえる。しかし、完成度という点でも、若いときの作品とは比較にならない。
著者がまだ創作意欲旺盛なときに、新本格ビッグバンがあれば・・・というのは無理な要求であるが、一時期の道尾秀介が、いいところまで著者の志に近づいていた。残念ながら賞取りに走って、方向性が違ってしまったが。
著者のように、ミステリも時代小説も評論も一級であり、いずれも幅が広い、という作家はいない。残念ながら、著者のミステリでは超一級品というものがない。全てにおいて水準以上のレベルであるのだが。「猫の舌〜」や「七十五羽〜」では弱いし、短編ではやはりこれ一冊という重さに欠ける。「誘拐作戦」、「三重露出」、「悪意銀行」なども好きな作品だけども。「なめくじ長屋シリーズ」は初期のものだけなら評価できるのだが・・・
本当に、器用貧乏という言葉がぴったりくる作家であったが、その器用貧乏さがどのようにして生まれたのか、というのが本書を読むとよく分かる。本書は、作家都筑道夫の誕生と成長を知るためだけではなく、戦後の文壇裏話やミステリ雑誌創生期を記録した、貴重な資料でもある。
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