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探究(1) (講談社学術文庫)
 
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探究(1) (講談社学術文庫) [文庫]

柄谷 行人
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

あえて一言でいえば、本書は《他者》あるいは《外部》に関する探究である。それらの簡単な語は、自分自身を含むこれまでの思考に対する「態度の変更」を意味している。しかし、書いているうちに私のなかでもっと根本的な「態度の変更」がおこった。つまり、私はこの仕事を無期限に持続するだろうという気がしてきたのである。書くことが生きることであるということを私は始めて実感している。(あとがきより)

内容(「BOOK」データベースより)

本書は〈他者〉あるいは〈外部〉に関する探究である。著者自身を含むこれまでの思考に対する「態度の変更」を意味すると同時に、知の領域に転回をせまる意欲作。

登録情報

  • 文庫: 266ページ
  • 出版社: 講談社 (1992/3/5)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061590154
  • ISBN-13: 978-4061590151
  • 発売日: 1992/3/5
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Schizo
形式:文庫
 柄谷は他者と《他者》を区別し、前者を自己との対称性に基づく他者、後者を自己との非対称性に基づく他者と定義する。柄谷によれば、内省から出発する従来の哲学は自己と他者の対称性を前提とする「話す‐聞く」モデルを暗黙のうちに採用しているが、そこで見出される他者は自己と同じ言語ゲームに属している他者であり、結局のところ他者はもうひとつの自己にすぎなくなる。その点で従来の哲学はモノローグ的な独我論におちいっている。
 それに対して柄谷は、自己と他者の非対称性を前提とする「教える‐学ぶ」モデルに依拠することで《他者》、すなわち他者の他者性を回復させようと試みる。この《他者》は自己と同じ言語ゲームを共有しない他者であり、自己の外部に位置する他者である。このモデルにおいては「教える」自己と「学ぶ」他者のあいだに根本的な非対称性(「命がけの飛躍」)が措定され、そこではじめて非対称的な自己と他者とのあいだの対話(イロニー)について考察することが可能となる。
 柄谷はこうした独我論から対話へのモデル転換の契機をデカルト、キルケゴール、マルクス、ウィトゲンシュタインのなかに見出す。その論理的切り口と接合方法は鮮やかで、現在、独我論や他者といった問題を考えようとするなら、この著作で提起された視点を避けて通ることはできない。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:文庫
著者の各思想家への解釈は良く言えばユニークだが往々にして牽強付会で且つ政治的で余り好きではないが、このデカルト論は日本の哲学解釈の中では白眉ではないかと思える。こう読まなくては、デカルトは必然的にお蔵入りになってしまう。著者は若い頃から文学の解釈では動物的な勘ともいえる鋭い指摘で並外れていたが、哲学の場でそれが改めて証明された感じだ。「他者」の問題よりも、自分としては、その裏側にある「単独者」の問題が非常に魅力的に感じた。もう一度キルケゴールをきちんと読めそうな気がしてきた。「他者」論は見事な指摘で、一瞬の「異質感」というあの感覚を指しているわけで、これを従来のコミュニケイション論や相互行為論に取り込んでしまっては実も蓋もない。しかし、現実の生活からいうと、むしろ著者の指摘は当たり前であって、あまり革命的な感じは無い。安穏と権威の中に居ると想定される一部の大学人にはショックかもしれないが、現場の人間は日々否が応でも「他者」に直面せざるを得ない。まさに毎日が、この商品は販売契約が成立して初めて100円なのだ、という「命がけの飛躍」の連続だ。「時代の診断」まで出来なくても、何がしか新しい視座を示すことが人文系の作品の優劣を示すとすれば、如上の理由から、本作品の線の細い点は否めないと思う。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 「話す-聞く」という関係は対話(対関係)ではなく、ただの自己対話=モノローグ(独我論)であり、プラトンの弁証法以降、哲学はすべてモノローグとして「他者」をその視野に収めてこなかった。

 本書は「教える-学ぶ」関係(ヴィトゲンシュタイン)、あるいは「売る-買う」関係(マルクス)によって見出される「他者の他者性」を問題にする。

「他者」とは私と言語ゲームを共有しないもの、共通の規則を持たないもの、つまり規則の外部のことである。

 他者との間に横たわる深淵が「命がけの飛躍」によって飛び越えられたあと、我々は規則を事後的に見出すのであって、最初に規則があり、それに従うことによって関係を持つことができるわけではない。関係をもつこと、これこそが(それ自体盲目的な)命がけの飛躍なのである。

 本書では述べられてはいないが、例えば、「私は勇気ある者であるか卑怯者であるか」は、私にとっては決められず、他者に判断を仰がねばならないという意味で私は他者に隷属している。「私は誰であるか」という認識は全面的に他者に依存している。私と他者は同等ではない。

 ところが、私と他者が同等とみなされた途端、つまり私と他者に共通の規則が「でっち上げられた」途端、だからそれは関係を持つことができた途端、私は他者を私へと回収してしまい、その結果他者の他者性は隠蔽(あるいは抹殺ないし排除)されてしまう。同時に他人にとっての他者である私の他者性もまた隠蔽される。要するに、そこは外部などない、一つの閉じられた全体(共同体)となり、そこでは対話は成立しない。そこでの議論はたかだか「我」を「我々」に拡張しただけの独我論にすぎない。

コミュニケーションを考える際、参考にしていきたい思考である。
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吉本隆明にまともに相手にされず、丸山真男になりたくてあまり尊敬されず、アソシエだかの出身地の新左翼よりずさんな組織をむちゃくちゃにして、岩波文化人になれて喜んでい... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: daruma
壊れる前の柄谷行人
ジジェクの『パララックス・ヴュー』という本を読んでいたら、柄谷行人の名前が出てきた。... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: ヴァンセンヌ中納言
これ面白い??
著者は定義する。「他者」とは対話不能な相手であり、つまり言語ゲーム
が成立しない相手のことをいう。互いに背景(規則・コード)の共同性がない... 続きを読む
投稿日: 2008/5/25 投稿者: ポーコ
<外部>の思考
この本は「外部」もしくは「他者」について書かれた本である。... 続きを読む
投稿日: 2007/10/14 投稿者: 三森 優
発見は喜びに繋がり、理解は支配に繋がる。
アカデミックな言葉から漏れ生づる、アツイ鼓動は何なんだろう…と思う。実際自分は柄谷をこの本でしかしらんのだけど、この他者論は忿懣やるせないようなアツイ情熱で隅から... 続きを読む
投稿日: 2007/8/10 投稿者: KYZK
かっこよすぎ
柄谷行人は批評家として大変有名である。著書もたくさんある。その中でもこの『探求I』は一番読み易いのではないだろうか。... 続きを読む
投稿日: 2002/6/23 投稿者: "きょん吉"
他者論の新しい視点
日本で他者論に関する書物は多いが、どれも歴史的な概観をまとめたものが多い。実際に自分自身の新しい観察を加えたものとしては本書をおいて他に少ない。ヴィトゲンシュタイ... 続きを読む
投稿日: 2000/12/4
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