作者の小森健太朗は創作では本格ミステリ界に着実な地歩を築き、翻訳家としても能力を発揮。
哲学・論理学・神秘思想に造詣が深い点を活かした評論活動も着実に成果を積み上げてきた。
その作者の満を持しての初評論集。
副題は「ラッセル論理学とクィーン、笠井潔、西尾維新の探偵小説」。
副題の通りに、第1部では探偵小説における“論理”を理解する上での前提となる、
ラッセルの論理哲学を初歩から考察する。
第2部では、クィーンの作品を中心に実際に探偵小説における“論理”と“ロゴスコード”論を展開。
ミステリの初心者にもわかりやすく、上級者の鑑賞にも十二分に耐える緻密な構成となっている。
第3部は、21世紀におけるミステリ及び読者の変容を西尾維新作品と“モナドロギー”を中心に解説。
この1冊で、探偵小説における“論理”の過去・現在・未来が展望できる構成になっている。
ミステリ評論に興味のある読者にはお勧めの書。