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探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA)
 
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探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA) [文庫]

東 直己
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ちんぴらに袋叩きにされて、“俺”は入院した。そこで偶然、病院の付添婦をしている昔の恋人と再会。彼女からの依頼で雪の田舎町まで一通の手紙を届けることになった探偵だが、町に着くなり身辺に不審な男たちの影がちらつき始め、理由も解明できないまま町を追い出されてしまう。やくざの組長の桐原の助けを借り、再び町に舞い戻った探偵に最大の危機が!雪原を血にそめる死闘の果ての意外な結末とは?シリーズ最高傑作。

内容(「MARC」データベースより)

チンピラにこてんぱんにされて入院した「俺」は、そこで若かったころ同棲していた女と再会し、彼女の依頼で届け物をするために田舎町へと出かけた。だが、そこで「俺」を待っていたのは…? ススキノ便利屋シリーズ最新作。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 454ページ
  • 出版社: 早川書房 (2004/2/10)
  • ISBN-10: 4150307490
  • ISBN-13: 978-4150307493
  • 発売日: 2004/2/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
  
 前々作の『消えた少年』で、ススキノの「便利屋探偵」である《俺》の依頼人だった中学国語教師の《安西春子》とは、前作『探偵はひとりぼっち』で“いい仲”となり、最後は「わたし、おなかに赤ちゃんがいるの」と告げられる間柄にまでなってしまう…。それから十数年が経ち、《俺》も「なにしろ今年で四十五だ」という年回りになってしまったのが本作だ。もちろん、“マイホームパパ”には変身していない…(笑)

 その《俺》が偶然再会した15歳年上の昔の恋人の依頼を受け、住み慣れたススキノを離れ、道北の架空のマチ「斗己誕(トコタン)町」へ向かい、“一暴れ”する、といった案配だ。例によって、作者である東直己さんの分身ともいえる《俺》の「知性と教養」が、主にモノローグとなって随所に炸裂し、斗己誕町のタクシー運転手《坪内翁》との会話なども諄いほどに面白く、エンタテインメント性も十分に備わっていよう。

 ところで、この文庫本では本編の後、東直己さんの「あとがき」が収載されている。当該シリーズ以外に東さんの随感等を目にしたことがないので何とも言えないけれど、私には、住人を含めた「北海道」の風土や歴史に対する東さんの見方が意外と冷ややかだな、と思われる。要は「ホッカイドウはデッカイドウ」と言ったって、「ナニこいたもんだ。そったらもん、大したことないべさ!」といった感覚なのである。

 実際、東さんは「わりと、(北海道は)希望のない世界である」(あとがき)とまで言い切っている。他方、「そんな中でも、自分の居場所を求めて、自分の生き方を求めて、それなりに誠実にもがいている人も皆無ではない。そんな世界のことを、書き留めておきたいな、と思って書き始めたのがこの物語」(同前)とも語っている。そうした“冷ややかな眼”と“温かい眼差し”を持った作家が東直己さんなのだろう…。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 正直、もうススキノ探偵シリーズは書かないのではないかと心配していた読者が大半だったろう。作者が歳を取り、多くのしがらみを世間的に身につけてゆく中で、東直己の等身大ヒーローはもはやススキノ探偵ではないだろう、畝原だろう、そう思う読者は多かっただろう。畝原シリーズは確かに優れている。だが、ある意味重い。あの自由闊達で面白おかしく生きている風来坊のような主人公。探偵ですらないあのススキノ便利屋の小説ももっともっと読みたかったと思う読者もきっと相当に多かっただろう。

 シリーズ最新作とは言え、ここまで短篇を含め5作を読破しないと、この作品には辿り着けないはずだ。しかし一ヶ月で再版されるだけの馬力がこのシリーズにはまだまだあったということだ。それだけ待たせていたというのもやはり事実だった。根強い読者層がこのローカルな作家にもきちんと着いてきていたということなのだ。嬉しい。

 何しろ『探偵はひとりぼっち』以来だ。最後のセリフは「わたし、お腹に赤ちゃんがいるの」だった。探偵の赤ちゃん。うーむ。そこで急に東直己の筆先は子持ち探偵・畝原に向けられて久しかったわけだ。1998年のびっくり結末以来読者は実に3年も待たされたことになる。なんと気を持たせる作家であることか。

 そして本書では驚いたことに探偵は中学生になる息子に仕送りをしている。春子とは離婚している。そんな時間の経過があるかと思う。だが、よく考えてみれば、探偵シリーズはいつも今より少し前の時代、風営法が変わる前、ソープランドがまだトルコと呼ばれていた頃の物語なのであった。ローレンス・ブロックの『聖なる酒場の挽歌』同様に、いつも記憶のカーテンの向こう側にある過ぎ去って懐かしい「昔の」物語なのであった。

 それが本書ではいきなり現代なのだ。畝原に作家の主体を持っていたばかりではなく、年齢と家族という荷物とをきちんとススキノ探偵の方にも課していたのだった。

 さらに驚いたことにススキノ探偵であるはずの「オレ」が、遥か道北の寒村に舞台を移す。この田舎町の描写が実にリアルで可笑しい。ぼくが思うにモデルとなる町は幌*内ではないかと思うのだが、雪が深く、車で通り過ぎるのに1分も要らない。西部劇に出てくるような一本のメインストリートだけの町。シティでもタウンでもなくビレッジくらいに形容しておいた方が良さそうな町。そこに住む怪しげな人々。夜のバス停にうろうろする女子高生の描写のおかしさ。

 うーん、まさに北海道しているのだ。観光や出張でしか北海道に来ない人々に是非お伝えしたい北海道の平均的田舎町の真実、とでも言いたくなるくらいの。

 実にいろいろ驚かされてしまう物語であった。やはり畝原にはない行動をこ

の探偵は取る。やはりこの後もこのシリーズも続けて欲しい。また回想の昔に戻ってもいい。この作品のように現代に視点を変えてもいい。とにかく続けて欲しいのだ。

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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 これだけビッグネームになった作家が北海道にしがみついて小説を書き続けている、というコトに対して、これまでこの人は有形無形の、アタマのわるい意見を押し付けられたり、求められたりしてきたんだろ~なぁ~。「どうして東京にでないんですか?」、「北海道(札幌、あるいはススキノ)に対する思い入れを聞かせてください」などなど。
 

 そんなアズマさんの、「これが答えだよ」という公式ステートメントが発端になって、書かれているのが本作だと思う。いまだに官依存でぬくぬくとしてその日その日をすごす人間が住む土地。ぬるぬるの警官や土建屋など、北海道の地方に住んでいる人が読んだら「あ、これってうちのマチがモデルなのかしら?」と思うくらいのリアルなキャラ設定。

 45歳になった「俺」の孤軍奮闘とヤセ我慢はさらにエスカレートし、忘れられない人への、痛々しい思慕がいい塩梅にちりばめられていて、最後までイッキ読みさせてくれる。

 アズマ作品は一通り読んでいるつもりだけど、冒頭の献辞と、あとがきが付記されているのは本作が初めてではないかな?本人にとって思い入れの深い作品なのでは?と深読みしてしまいそうだが、、、。
 

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