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探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))
 
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探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) [文庫]

東 直己
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが、めった打ちにされて殺された。若いころに彼と愛人同士だったという北海道選出の大物代議士が、スキャンダルを恐れて消したのではないかという噂が流れはじめる。マサコちゃんの友人だった俺は、周囲が口を閉ざすなか調査に乗りだした。やがて、身辺に怪しげな男たちが現われ、奇怪な事件が…日本推理作家協会賞受賞作家が描く、軽快なハードボイルド・シリーズ第4作。

内容(「MARC」データベースより)

みんなに愛されていたオカマのマサコちゃんが殺された。若い頃愛人同士だった代議士に消されたのではという噂が流れ始める。マサコちゃんの友人だった〈俺〉は、果敢に調査に乗り出すが…。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 535ページ
  • 出版社: 早川書房 (2001/11)
  • ISBN-10: 4150306818
  • ISBN-13: 978-4150306816
  • 発売日: 2001/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:文庫
  
 札幌・ススキノを根城とする「便利屋探偵」のシリーズ第4作目は、「オカマのマサコちゃん」の殺害事件で幕を開ける。前作『消えた少年』では、所謂「M(問題)教師」などに焦点を当て、とんでもない結末に終わったわけだけど、この長編では、歓楽街の隅っこに生きる人間に対する探偵の《敵討ち》がメインとなっている。そして、そこに立ち塞がるのが「政治がらみ」の連中だ。この中心となる政治家に、北海道の読者ならば「ハハ〜ン」となるのだが、もちろん“純粋なフィクション”として筋立てを堪能すればよいだろう。

 このシリーズの主人公である探偵の《俺》は、作者の東直己さんの“一卵性双生児”と言って過言ではあるまい。そこにある“信念”は、アウトサイダー達への“温かいまなざし”だろう。「ススキノ探偵」シリーズを通読して感じるのは、この「探偵物語」が厳密な「推理小説」でも、アメリカ的な「ハードボイルド作品」でもない、ということだ。あくまで主人公は、東さんの“双子の兄弟”であり、《俺》の私小説的な「探偵物語」ということになろう。だから、全体に「謎解き」といえる部分は、ほとんどが主人公の“外部”からもたらされる。

 従って、「推理小説」又は「ハードボイルド小説」としてこのシリーズを追っていくと、些か欲求不満あるいは不完全燃焼状態に陥るかもしれない。それで、そうしたジャンルがあるか否か判らないが、私は“私小説的な「探偵物語」”という風に述べたのだけど、これはこれで可能な領域だと思っている。確かに、第3作目の『消えた少年』では、ちょっと展開に無理があるかな、とは感じた。しかし、それでもプロットの根っこに存在論的な人間観察の結果があることは間違いないだろう。これからも大いにススキノで暴れて欲しい。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 『探偵はバーにいる』でススキノ探偵の<俺>がデビューしたのがちょうど今から10年前の1992年。本書は長編第四作で1998年。28歳だった<俺>も中年の領域に入り、可愛い恋人もできて、多くのススキノの脇役たちとの繋がり方もよりいっそう年輪を経て、磨きがかかっている。

 ハードボイルドの探偵はたいていどこか孤立した存在で反社会的な傾向があるものだが、このシリーズの主人公も例外ではない。そればかりか、むしろへらず口を武器に、真っ向から多くの社会の側から押しつけられる価値観に牙を剥いたりもする。

 オカマのマサコちゃんが嬲り殺しにされる事件に端を発する、かなり奥深い今回の事件も、社会の闇に切り込んでゆく颯爽たるナイトの物語でありながら、ススキノで酒ばかりカッ食らう快\主義者の<俺>は欠点だらけで親しみやすい非常に身近な存在であり続ける。まあ、それがこのシリーズの最大のポイントなのだけれど。

 この主人公を作り出すことでほとんど成功したシリーズではあるけれど、ぶつかる敵の大きさは巻を重ねるごとにどんどん巨大になってゆくイメージがある。本作では権力に影響を与えることのできる代議士の不正に挑戦。

 北の街のリアルな描写のなかで、ゆったりと好きな映画を好きなように語る主人公の面白おかしさがあるかと思えば、一気に緊張に持ってゆく権力機構の闇の暴力が取って代わる。これ以上ないようなメリハリがこのシリーズの厚みである。娯楽性と、何とも言えぬ人間たちの物語。友情の物語であり、そして愛情である探偵を取り巻く生活の匂い。それを書き切ることのできる筆力の確かさ。

 この頃から東直己の作品からは大きな作家的自信を感じ取ることができるようになってきた。多作とは言えない彼が、作家という商売だけで飯を食えるようになるには、それでももう少しだけ時間を要さねばならなかったという話である。

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By 中年A トップ500レビュアー
形式:文庫
シリーズ物で、何作も続いていくと多かれ少なかれ、マンネリ化してくることは免れないように思います。

しかしながら、本シリーズでは、主人公がちゃんと歳をとっていき、それに従った環境の変化があり、周りの人間関係についてもそれなりの歴史があり、マンネリというよりも、良い意味での熟成感になっているように思われます。本作では前三作を読んでおられる方にはお馴染みの彼女が再登場したかと思ったら、既にどっぷりと恋人になっています。

でも本作では、友人のオカマが殺された件に関する謎解きがテーマとなっています。この謎解きに関しては、ちょっとこれはどうだろう?というのが正直な感想でしたが、そこに至るまでの過程は、主人公の捨てきれない青臭さ・正義感(といって良いのか多少疑問がありますが)が描かれつつ、お約束のハードボイルド的な味わいも十分で、存分に楽しませてもらえるものでした。

私の場合には少し前に「榊原健三」シリーズをつまみ食い的に読んでしまい主人公の遠い将来を少し覗き見してしまった形になってしまったため、作品最後の彼女の台詞については少し複雑な思いをしましたが、それでも主人公に人並みの幸せが来そうな一言で、中々憎いラストと言えると思います。
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