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掘るひと
 
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掘るひと [単行本]

岩阪 恵子
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

日常をおおう灰色の倦怠を執拗に描きながら、なぜ物語は底深い静謐な光で読者をいざなうのか?
滋味と陰影に富む9つの短篇

内容(「BOOK」データベースより)

日常をおおう灰色の倦怠を執拗に描きながら、なぜ物語は底深い静謐な光で読者をいざなうのか?滋味と陰影に富む九つの短篇。

登録情報

  • 単行本: 202ページ
  • 出版社: 講談社 (2006/01)
  • ISBN-10: 4062132478
  • ISBN-13: 978-4062132473
  • 発売日: 2006/01
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 794,449位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
 この短編集の主人公たちは、少しずつ設定は違うけれど、40代から50代の女で、子供を産まなかった、あるいは早くに子供を亡くした、という共通点を持っている。少子化、セックスレスの時代、子を持たない女はいまやマイノリティではないが、「この歳だったら子供が居て当たり前」ってのがいまだに世間のマスイメージである。子供の存在や子育てというアイデンティティを剥ぎ取った時、盛りを過ぎたひとりの女に果たして居場所や役割はあるのだろうか。夫という他人との閉塞的な夫婦生活、夫、姑、親族という血縁の中での所在無さ。主人公は、役立たずで存在感の薄い腐った夏みかんや安物の指輪に自らをなぞらえ、自らの存在を確かめるように、穴を掘り、マーマレードを作り、包丁を砥ぐ。

 ただ、この自らの存在に対する欠落感と渇望を“子を持たなかった中年女”の特殊な例として捉えてしまうと主題を読み誤る。唯一“子を持つ”例外が表題作の「掘るひと」なのだが、この親子関係も「母であり娘でありながらもともと相性がわるく」、「せめて親子でなければもう少しましな関係が築けたかもしれなかった」という帰結なのだ。だから「血」や「親子関係」が、自らの存在を確固たるものにしてくれる訳ではない。そして、それは男もしかり。定年を迎え、こっそり野良猫にねこめしを運び続ける夫の姿も、小説は活写する。

 人間誰しも、常に存在の不安を抱えて生きている訳で、中年に差し掛かった男としては、この短編集の女達に同士としての親しみと愛おしさを感じて、しんみりと、そして意外に明るい心持ちで本書を読み終えた。
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形式:単行本
40代から60代あたりの女性9人の物語はなんだか匂う話だった

寝たきりの介護者がいる家や

老朽化した光りの射さない家や

加齢臭のする老人など・・・・そういう匂いがこの本から立ち昇る。

日常を慎ましく生きてきた女たちは、夫に対しては拘らないし、美容も服装も愉しむでもない

沸沸と彼女たちを動かすのは、ゴミだったり、ゴキブリだったり、流しの匂いだったりと、自分にしか眼にも鼻にもつかないことだ。

底無し沼のように沈む話に、私には気が滅入る本だった。

それでも★4なのは、この世界を描いている作者の力量に対し4以下は思いつかないし、5にするには個人的趣向とかけ離れすぎて躊躇するからだ。
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