本書では、教育の根幹となる授業を、子どもたちにとってより実り
のある時間にするためには、「教育力のある学級集団の育成」が
必要になってくるという視点をとっており、その点から、学級集団
の育成は「授業づくりのゼロ段階」であると位置づけている。
言わずもがなであるが、教育とは実に多様で奥深く、それ故、やり
甲斐のある仕事である。多様な生徒を前にしては、教育のマニュアル
等も、参考程度にしかならず、生徒を把握しながら、実態を鑑みて
よりよい教育の方向を考えていく、というのが教員に求められて
いることであろう。
こういった、多様な生徒によって構成され、その状態が日々変化する
「学級集団」を把握するために、著者を中心に開発されたのが、
本書の副題にも含まれるQ-U(Questionnaire-Utlities)である。
本書では、このQ-Uで見られる学級集団のいくつかのタイプに応じて、
授業自体の前に、どういったことが教員に求められるのか等を、
著者らしい簡潔で分かりやすい言葉でまとめている。
やはり、本書の性質上、Q-Uをすでに利用したことがある方、今利用
している方の方が分かりやすい内容になっている。ただ、Q-Uをご存
知なくても、ご自身の印象から、どの学級集団のタイプに近いのか
を考えながら読むことで、学級経営や今後の授業に十分に資する内容
が含まれている本だと感じる。