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この子の姿を見て「うちの子だ」と気づく元飼い主はいるのだろうか?
こういう本には見向きもしないから、一生見ることはないのだろうか?
見たとしても、自分の飼っていた犬と気づくのだろうか?
このわんちゃんは、この写真の瞬間、一体どんな気持ちでいたのだろうか。
私たちには見えないけども、目から悲しみの涙を流していたのかもしれない。
不慣れな、怖い機械の音に囲まれた、おそろしく孤独な死を、理解しただろうか。
最後まで飼い主のことを思って、そして...冷たい壁が震える心身を奥へ奥へと押していったのか...。
無垢の心が、無償の愛を人間に捧げたそのかけがえのない命が、何故こういう終わりをとげるのか。単なる動物コントロールという無情に現実的な枠を越えて、この問題を考えない限り、そして声を挙げて行動しない限り、行政まかせの殺処分は続く。あまりにも目を背けたくなるような現実にあえて立ち向かっていった著者の勇気は尋常のものではない。また読む側にとっても読む勇気が必要となる。しかし、目が文章から離れなくなる。知りたいと思っていてもあまりにもひどくて見に行けないことだったから、せめて文章からでも現実を知りたいと、目が本能的に行をなぞっていく。見ることをしなくなった目が、再び目覚める瞬間。怖いからって自分の存在の奥に埋没してはいけない。動物は、授かった命をすべて最後までかけて命を生きるから、人間の影に光を当ててくれる。自分達か犠牲になってまでも私たちに気づかせてくれるその力は、無条件の愛そのものではなかろうか。
今まで何百万匹と、決して「安楽死」ではない、殺処分をされてきた動物達の最後の瞬間は私たちには想像することしかできない。できれば想像もしたくないこと。でも私達はれっきとした加害者だ。
ここに問題提示がある、さてここから私はどうするべき?と自主的な部分に触れる本。
この本をきっかけに日本中の動物好きの人が立ち上がり、今の日本の捨てイヌたちの現状を変えられたら・・。そんな勇気を与えられるこの一冊、ぜひ、一人でも多くの人が手にとってくれますように。
PS 私も自分の町にいたノラ犬の親子2匹をひきとりました。
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