著者は植物の品種改良に携わるかたわら、ファンタジー小説家としても活動しているという異色の人物。
本書は、身近な果物や野菜の種をまいて育ててみるという、著者の趣味について語ったもの。
たとえばキウィ、アボカドなどの果物を食べていて、これを種から育ててみようと考える人は少ないだろう。キウィの種は小さいから気付かず食べてしまうし、アボカドのでっかい種にしても、こんな南国の果物が日本で育つとは思いもせずに捨ててしまう。しかし、まいてみると、ちゃんと芽を出して成長してくれるのだ。
こんなに楽しいことはないだろう。
ほかにもブドウやトマトを植えた体験談も。
ただ、種をまく話は意外に少ないのが残念。
食糧自給率の話とか、種苗会社による作物管理の話とかが結構な分量を占めていて、真摯な問題意識ある著作に仕上がっているのだ。そのあたりの話も、分かりやすく面白い。
でも、ちょっと不満が残る。