各種の犯罪類型について実証的で、ハードな研究成果をまとめたものとして評価できる。しかも、日本の犯罪についてのデータを中心として書かれているところが興味深い。こういう話を海外の研究成果をつなげて本にするのは比較的簡単にできるであろうが、それをふまえた上で、日本独自のデータを収集し、それをさまざまな最先端の方法論(多変量解析など)を駆使しながら分析しているところが評価できる。日本の犯罪心理学というと、奇妙な犯罪が起こるとTVに出てきて、好き勝手で誰でも思いつきそうな適当な見解(家庭環境がわるいとか、性的異常者だとか)を述べているあやしげな人々を思い出し、日本の犯罪心理学ってこんなもんなの?ダサイ!と思っていたが、この本を読んで、「やっぱり、地道でしっかりした研究者もいるのだ」と再認識させられた。この分野に興味のある人の必読書であるとともに、前記のあやしげな人たちは、この本をしっかり読んで、反省するように。