脳男の続きが知りたくて購入。他の方がおっしゃるように冗長かなとも思える部分は確かにあります。例えば上巻下巻のうち半分は鈴木一郎が出て来ないとか。だけどそれでも私には見たい理由が他にもありました。著者が人間の感情をどう描くのかという点。脳男では、警察に自身が追われる立場にありながらも犯罪者を裁くような人間離れした主人公が次に何を求めたのか、それを知りたかった。この本で私的には医学的な細かい観点は必要とはしておらず、期待は特にその一本に絞られました。残念なことに敵対する犯罪者対主人公の図式になってしまい、鈴木一郎の意識や自覚などは第三者に意図させられたような格好となっていましたが、最終的には、人間の持つ道徳観とは何か、精神の価値とは何かなどとも色々と考えさせられたわけです。贅沢を言わせていただけるなら、夢を見るようになった鈴木一郎の感情の片鱗だけでも見てみたかったのですが…。結果、評価が半々に分かれた理由となりましたが、もしかするとまだ続きそうな予感めいた終わり方でしたので、鈴木一郎のその後が気になる方は念のため読んでおかれることをお勧めしておきます。相変わらず鈴木一郎は人間離れしていて凄いですよ。