11話から15話に恒例のおまけマンガの6編が収録されています。今回はいつにも増して涙腺の刺激どころが多いので要注意です。
基本はお笑いなのに、笑いながらどこか泣けてくるのは、霊と関わる拝み屋横町の人々があまりにも人間臭く、愛おしいからです。成仏しない幽霊たちも憎めない。そしてみんな笑顔で成仏していくのがなんだか寂しくもあります。
最高の喜劇は人を笑わせて泣かせてくれます。「拝み屋横町」は喜劇のツボを心得ているんですね。チャップリンもそうでしたけど、最高の喜劇は笑うよろこびと人間の悲哀を同時に見せてくれるものです。
大家さんの知り合いが「笑わない少年」を連れてきて笑わせてほしい、という12話は必見です。「シャイニングウィザード!」このシーンを読んで笑いが吹き出すのを堪えるのに必死だったので電車を一駅乗り過ごしました。そんな荒技が炸裂したあとにがん、と涙腺を突いてくる作者は卑怯です(笑)
また15話の、大家さんが中学生だったころの同級生が幽霊になって再会する、という物語は珍しく全体にしんみりとしています。あの妖怪より得体の知れない大家さんの、一夏の恋というには淡い過去を垣間見ることができて貴重。珍しく三爺の邪魔も入りませんし。
「どうして生身の体じゃないんだろう」という幽霊さんのセリフは、言葉以上に切なさを伴って迫ってきます。心なしかこの数ページの大家さんはいつもより若く見えます。
本当は★5つで充分なんですが、今後まだ笑わせて泣かせてくれることを期待して★4つです。