1.内容
ご存知のとおり、いわゆる拉致問題は膠着状態である。小泉純一郎さんのときは、交渉が進んでいたのだが、安倍晋三、麻生太郎、鳩山由紀夫各内閣は、強硬路線をポーズで示すだけで(ポーズなら誰でもできる。理性的に解決しろ!)、交渉できず、結果、拉致被害者は救出されない。また、世論は北朝鮮憎しであり、さらには家族会や救う会の不適切(個人的には仕方のない側面はあると思う反面、田原総一朗さんを訴える行動など、行き過ぎもあると感じた)な行動により、検証すらできない有様になっている。このような状況では、解決は望むべくもない。打開するには、自由に議論をし、国交正常化の過程で解決するしかあるまい。核兵器のことも考えると、国益にも沿う。
2.評価
「和田春樹」(東京大学名誉教授で、朝鮮半島問題が専門と聞く。拉致問題発覚後、厳しい批判を浴びた)の名前を見て、「あ、左だ、読むに値しない」と言うことなかれ。拉致問題を解決する上で、別種の、鋭い見解が満載ですぞ(ゆえに星5つ)。蓮池透さんだって変わらず「拉致被害者を返せ」と叫んでいますよ(趣旨。「中傷めいたことを言」(p2)われているようで、お気の毒に。また、「中傷めいたことを言」うのは最低)。青木さんの論文も、民主党の事業仕分けのヒントにもなっており、鋭かったですね。しかし、個人的に一番参考になったのは、菅沼光弘さんの論文。日朝国交正常化は、アメリカ、韓国、中国、ロシア、どこも望んでいないとか。経済面で日本が支配するのが好ましくないのが理由の一つだそうだ(p133「日韓の貿易は常に日本の黒字」ではねぇ)。このことも含め、拉致問題、さらには日朝国交正常化は、日本人のあり方が問われているのだ。