拉致被害者「家族会」で体制側の発言をしていた蓮池透さんが「家族会」の発言と違ったことを言っている、と知ったときは、まず「どうして?」と思いました。この本を読んでかなりなぞが解けます。スリリングな本でもあります。
家族会の事務局長当時は、日朝の歴史もよく知らなかったし、思考停止状態だったとのこと。でも「拉致問題解決への事態が進んでいないから」、蓮池さんは、どうしてか、と「深く考える習性」ができて、「自分たちが要求する前に、北朝鮮、あるいは韓国も含めて朝鮮半島が要求していることも考慮すべきだという結論にいたった」わけでした。
池田香代子さん、鈴木邦男さん、森達也さんは、蓮池さんに質問して、蓮池さんのお考えを大変よく引き出しているほか、各人の考えも垣間見える発言をしていてとても興味深いです。
この4人に共通していているのは、拉致問題を親身になって考えていること、多様性や柔軟性をもち、コミュニケーションを大切にして解決策をさぐろうということです。
拉致問題や「家族会」を聖域化させ、言論封殺させてしまったメディアにも、4人の発言が風穴を開けるといいなと思いました。