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室町時代に武家社会の礼法として行なわれた折形は、紙が普及するにつれ江戸時代には庶民の間にも広がったとあります。しかし戦後この作法はいつの間にか忘れられてしまいました。今では多少値の張る祝儀袋や不祝儀袋の形でお目にかかるのがせいぜい。私も、唯一目にするのは、元旦に母が食膳でそろえてくれる箸包みくらいです。
本書が取り上げている様々な折形の例を眺めていると、どことなく心が引き締まる思いがします。和紙が潜在的に持っている造形力を「折り」によって引き出す。あるいは相手を思い敬う心を「折り」によって形にして見せる。それが折形の真髄です。そういえば「折り」と「祈り」とは字が良く似ています。
贈り手の心と紙との共同作業。この世界にも例をみない風習を持った日本人であることが、妙に誇らしく感じます。
気になるのは本書の表紙にローマ字で「origata lesson」と書かれている点です。折形は「おりかた」と発音するものと思っていましたが、本書の著者は「おりがた」としているようです。
著者はメディアで折形が取り上げられる時には必ずといってよいほど登場するようです。それだけにその影響力は相当大きくなります。やがて折形は「おりがた」として定着していくのかもしれませんね。
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