30年間も現役を続けた工藤投手の「言葉」で綴られた自伝本である。プロ入団秘話から体のケアの方法、ピッチャーとしての心構え、食事や家族について、人生を変えた多くの出会い・・・等々、プロ生活30年の間に培った考えや方法論、そして体験から得た言葉の数々は説得力を持ち、読者にグイグイと語りかけてくる、氏の熱い言葉の数々が迫ってくる作品だ。ただ、「大切な出会い」とか「やっぱり家族が一番」とか「野球は一人でやるものではない」等々は、プロスポーツに限らず、結局はそこに行きつくのだなあ・・・という他の本で読んだデジャブというか、アスリート本の最大のテーマはそこなんだな・・・という「結局は」がやはり最後はそこなんだという「普遍性」を再認識させられる内容の作品でもあると思う。「限界を口にするのは、やりたくない言い訳」とか「自分の思っている以上の能力をみな持っている・・・」等「はっ」とさせられる「重い」言葉の数々が、極めて理路整然と語られていて、これほど整理された理論を持っている工藤氏は、やがて指導者としても成功するであろうなとも感じられた一冊。30年間お疲れ様でした。