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抗がん剤は効かない
 
 

抗がん剤は効かない [単行本]

近藤 誠
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いま再発・転移がんに抗がん剤は標準治療。が、実は抗がん剤による延命効果は実証されていない。仮にがんを縮小できたとしても、その毒性により結局は延命できず、時には命を縮めさえする。それなのに過酷な副作用には苦しめられる。このことは「夢の新薬」といわれる分子標的薬でも同じなのだ。では患者はどうしたらいい?この切実な疑問に答えるべく著者は、抗がん剤が効かない理由を解説しつつ、それに代わるがんへの対処法を提示する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

近藤 誠
1948年生まれ。73年、慶應義塾大学医学部卒業。同年、同大学医学部放射線科入局。79~80年、米国へ留学。83年より同大学医学部放射線科講師。がんの放射線治療を専門とし、乳房温存療法のパイオニアとして知られる。患者本位の治療を実現するために、医療の情報公開を積極的にすすめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 250ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/05)
  • ISBN-10: 4163741305
  • ISBN-13: 978-4163741307
  • 発売日: 2011/05
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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29 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
私は近藤先生の意見には、基本的に賛成である。一般の患者さん方は、医師が言う「効く」という言葉をどう受け止めているのだろうか?それは、腫瘍縮小効果が有るということで、直接的な延命を意味してはいない。基本的には、抗癌剤で治癒することが極々稀にある疾患は、大人と小児の癌のこれまた極々一部のものである。一般人がよく知っている、胃癌、肺癌、乳癌、、、、などは、ミーンナ抗癌剤では治癒しないのは、医師であれば誰でも知っていることである。では何故使用するのか?「延命の可能性が稀だがあるかもしれぬ、、、」という為である。別の事情を言えば、抗癌剤が治療現場に出てくる時は、その前に治験というテストが行われる。これは大ボスと、そのボスに逆らわず製薬会社に損をさせるようなことはしないという誓いを立てた末端の腫瘍専門医あるいは腫瘍を治療する医師群が行うのである。基本は東京電力と原子力研究者(大学の先生達)と同じ。治験をすれば製薬会社から高額のお金が頂戴できるし、報告すればそれが医師の「業績」として扱われるのである。医師の、患者さんをどう治療するかのカンファランスでは、例えば進行癌で「手術してもこれは無理だ。」という穏当妥当派の意見は、「難しいがやってみなければ分らない。諦めずにやってみよう。」という、疑似熱心積極派の医師には必ず負けるのである。進行癌の化学療法も同じこと。医師の世界でも、止めておいた方がいいという穏当妥当派の者は、すぐ敗北主義者と見做されて、その地位は下がる。「米国との戦争は勝ち目が無い!」と言った者が皆左遷された日本軍人の世界のことは、医師の世界にも当てはまる。こうして効かない抗癌剤は使用される。私は37年間内科の医師をやてきて、千人以上の肺癌患者を治療してきたが、抗癌剤と放射線照射の併用で治癒した人は一人のみ。そんなものなのです。私の部下に、時々「近藤先生の本も読んでごらん。」と勧めるのだが、誰も読もうとしない。日本中の医師を敵にまわして少しも怯まない近藤先生!あんたは、天晴れです。抗癌剤が使用されるのは、患者さんのためということが第一義でなく、製薬会社は儲かるうえに世界の医療に貢献しているという形が取れるし、医師はお金が貰えるうえに、「業績」を作ることができるという、ミンナ・ハッピーの、共存共栄の精神の上に、まずは、成り立っているのです。
このレビューは参考になりましたか?
13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By enigma
書名は私達一般人(特にがん患者)には衝撃的ですが、書いてあることは受け入れ易く、
大いに参考になりますね。
無増悪生存率(PFS)のデータ解析/解釈やその他の一部の著述を除けば、中身の多くは
医学界では常識的なことのように思われます。

例えば、国立がん研究センター/がん情報サービス 〈がんの薬物療法〉 の記載内容と
比較してみますと、薬物治療の限界、抗がん剤の効果と有害性、治癒の可能性のあるがんの例や
抗がん剤が効くと言う意味などは、本書内容にかなり類似していると思われます。

国立がん研究センター/がん情報サービス 〈がんの薬物療法〉
http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy.html

参考までに両者の比較を二例だけ示しておきます。

〈治癒の可能性のあるがん〉
本書:急性白血病や悪性リンパ腫などの血液がんの大部分と、固形がんの中の
子宮の絨毛がんと睾丸のがん、子供がんを除くがんは抗がん剤ではまず治らない。
がん情報サービス:抗がん剤で完治する可能性のある疾患は、急性白血病、
悪性リンパ腫、精巣(睾丸)腫瘍、絨毛(じゅうもう)がん等です。

〈抗がん剤が効く/効かない意味〉
本書:「抗がん剤が効かない」とは抗がん剤には治癒力も延命効果もないことである。
がん腫瘤が縮小するケースがあることまで否定しているのではない(腫瘤縮小を以って
抗がん剤が効くとは言えないが)。
がん情報サービス:通常「抗がん剤が効く」という場合、「がんは治らないが寿命が
延びる」、あるいは「寿命は延びないけれども、がんが小さくなって苦痛が軽減される」
といった効果を表現しているのが現状です。

延命効果有無に両者の差異がありますが、延命と言っても精々数ヶ月のことなの
ですね。数ヶ月の延命が十分か、或いは、不十分かは立場や状況等で意見の
分かれるところと思います。

本書のポイントのひとつは、無増悪生存率(PFS)や全生存率(OS)等のデータ解析/解釈に
あると思います。特にカプラン・マイヤー法によるPFS算出では、意識する/しないに拘らず
人為的操作が入り易い(或いは入っている)ことを指摘して、データ解析/解釈されている
ことは十分に評価できるところです。
臨床試験ではPFSよりもOS重視が正当であるとする著者の意見に納得できます。また、何も
考えずに抗がん剤は効くものと思っていた者(特にがん患者)に刺激を与えたところにも
本書の意義があると思います。

欲を言えば、一般向けの著作なのでしょうから、できるだけ一般の人が理解し得る平易な言葉で
記述されるのがよろしいのではないでしょうか。例えば、指数関数と言う用語は先ず使用しない
ことです。「無増悪生存率」と言う用語も分かり難いですね。少し長いですが、「腫瘤サイズが
大きくなっていない患者比率」とするのは如何でしょうか。
最後に付け加えますと、代表例により、がん細胞の組織・構造・機能と抗がん剤の作用機構との
関わりを文章ばかりではなく絵解きでも説明して頂くと、抗がん剤が効かない理由がより一層
分かり易くなるではないかと思われます。
このレビューは参考になりましたか?
18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 内田裕介 トップ500レビュアー
 年初に週刊文春紙上で「効く効かない」の論争があり、さらに患者代表として立花隆氏との対談も採録されていたので、久々に近藤氏を読んでみた。

 近藤氏の主張は非常にシンプル。すなわち「抗がん剤が効くという信頼に足る証拠がない」というその一点につきる。産学官の「抗がん剤ワールド」の利益を守るため、専門の研究機関や製薬会社が提出するデータには人為的に手が加えられていて信用できない。抗がん剤は毒性が強いので、明らかに治癒が期待できる血液がんと一部の固形がん以外には用いるべきではない。という主張だ。

 自らもガンを患った立花隆氏との対談が本書のハイライトである。「知の巨人」としてのガンに対する知見でだけでなくガン患者として実体験をも持つ、このどこにも隙のない立花氏の突っ込みに近藤氏は耐えられるだろうか。

 「戸塚さんの場合も、OS(=オーバーオール・サバイバル、全生存率。寿命が延びたかどうかの指標)だけを考えたら意味がないことになるかもしれない。けれども患者の病態というのは常に変化していて、苦しみが軽減されて良い状態になったとしたら、僕は意味があるんじゃないかと思います。だから抗がん剤の全否定というのはちょっと行き過ぎじゃないか、という気がするのです。」p57,立花

 つまり、立花氏は、抗がん剤を飲んでも寿命は伸びない、という近藤氏の意見を認めたうえで、それでも人によっては値打ちがある、という。これにたいして近藤氏は、

 「自分には効いた、という個人的な感想を積み重ねていっても、薬を認可するかどうかの判断基準にはならない。そこには客観的な指標が必要で、その場合、一番頼りになるのが、結局、生き死になんです」p58,近藤

 と、正面から答えてはいない。しかし、当の戸塚氏は「がんと闘った科学者の記録」のなかで、「先生によれば、化学療法を行わなければ1年程度の余命か、しかし化学療法を行えばもっと延ばせる、とのことでした」と書いている。こう医師から言われたら、誰だって辛い抗がん剤治療でも頑張ろう、という気持ちになるだろう。だからこそOS=延命効果には1mmのウソも許されないのだ。近藤氏はまさにここを問うている。立花氏は患者の立場を得て、むしろ目が曇ったのではないだろうか。
 
 数年前は迷っていたが、今回本書と戸塚氏の「がんと闘った科学者の記録」を合わせて読んだ後、僕は抗がん剤は飲まない、と決めることができた。あとは来るべき死をどう迎えるかという問題は残るが、そこは科学ではない。またもっと切実であろう問題として、自分自身ではなく身近で大切な人がガンになったとき、その人とどう向き合うか、という問題が残る。が、これもまた科学ではない。
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う〜ん・・・
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