いわゆる「読書術」の本です。
はっきり言ってしまえば、「読書術系」の本は、書かれていることに大差はありません。ある意味で基本に忠実であり、「読んだら活かす」というビジネスにおける投資の発想で書かれています。その手法・テクニックについても、それほど奇抜なものは見あたりません。
それでも、この本は買う価値があります。
その理由は、著者である藤井氏が徹底して読者の高さに降りてきて、相手に届く言葉で、相手が自然に受け止められる内容を語っていることです。
おそらくは、彼の主催する読書会やセミナーに参加する、勉強熱心な、それでいて普通のビジネスパーソンのみなさんの具体的な顔が見えているのでしょう。
そしてもう1つ。読者像だけでなく、内容にもぶれがありません。
本の読み方、3色ボールペンの使い方、書き込み方など「読む過程」にも相当なページ数が費やされていますが、すべて「その後」につなぐという視点で書かれています。
結局、読書術の本というのは、基本に大差はなく、違いが出るのは著者が大事にしている人(読者)と読書に対する哲学の部分です。8割が「前にも読んだな」という内容であっても、大事にされている部分の納得感が高く、学ぶべき具体的ノウハウ、テクニックがあれば「価値あり」です。
逆に、読者像がぶれていて、誰に語っているのか分からなかったり、想定されている読者像が自分とあまりにもずれたりしていると、違和感を覚えることでしょう。
この本の場合、読書記録の付け方、書評の書き方、読書レポート(長文のもの)の書き方などが、具体的に、サンプルまで添えて説明されています。読書記録を付けようと思っていても、単なる感想文にしかならないと悩んでいる人は必見です。
今までの読書術系の本に、いまいちピンと来なかった人にも手にとって欲しい一冊です。
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