不動産投資ファンド、ヘッジファンド、企業投資ファンドの市場環境、仕組み、手法等につきコンパクトに纏まっており、説明も丁寧で読み易い。自分のような、この世界の部外者にとっては、概観を知る為の格好の入門書である。ファイナンスの考え方の基礎を知っている読者にとっては、IRRの計算の考え方に関する記述等は若干まどろっこしいかも知れないが、一方で、キャップレートの推移から見る不動産市場の状況と今後の見通しや、本来的に市場の歪みを目敏く利用した儲けの仕組みであるファンドが大型化・主流化するにつれて特異な収益機会が失われ、運用パフォーマンスが低下するという市場構造等に関する記述や、各種ファンドの機能や意義に関するバランスのとれた見方は勉強になった。