本書は、マーケットを心理学から読み解くことにより、なぜ人々がそうした行動をとってしまうのかを分析し、その処方箋を描きだしている。株式市場は、マーケット参加者の楽観度合い、あるいは悲観度合いの変化を心理的に反映したものであり、投資において心理的な要素を無視する者は最終的には敗者となるという。つまり、恐怖や弱気によって、長期投資を短期投資にしてはならないというのだ。成功する投資家は、この心理的なリスクをうまく管理し、買いの前に明確な売りの目標を設定し、自信を持ち、無理をせず、長期的な視点で銘柄の真の価値を見極める。著者に言わせると、投資において重要なのは、市場動向を決定する人間の感情を理解し、心理学上の理由から過大(過小)評価されている銘柄を認識する能力である。そのうえで、企業を定性分析することも重要だと述べている。人間心理から投資戦略を考える視点を与えてくれる、類書にない魅力を持った1冊である。(増渕正明)
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5つ星のうち 5.0
やっぱり売りは難しいです。,
By
レビュー対象商品: 投資の心理学―「損は切って利は伸ばせ」が実践できない理由 (単行本)
この本は「投資家の過剰反応」「リスクに対する感情」「なぜ売りが難しいのか」「銘柄選択の心理学」・・・など11の章で構成されていて、それぞれの章が独立した形になっていて読みやすいです。中でも私が何度も読み返して考えたいものは「なぜ売りが難しいのか」。投資家が売却に際して陥る問題はもともと非常に心理的なもので、本の中では、「買いがゲームの始まり(=ポジティブなもの)であるのに対して、売りは終了で結果の確定(=ネガティブなもの)。売りは値段が上がっていようが下がっていようが、明らかにストレスをともなう」と表現されています。こうした状況で正しい投資判断を行うためには、買う前に売り価格、シナリオ、投資期間という売り目標を設定しておくこと、現在の値段で購入したいかを考えることが有効ということを学びましたが、実践で売却するときは、なかなか本に書かれていることを思いめぐらすことができない現状・・・。やっぱり心理的なものに支配されているんだな、ということを痛感せずにはいられません。何度も読み直して、自分のものにしようと思います。
22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
お金儲けのための科学,
By カスタマー
レビュー対象商品: 投資の心理学―「損は切って利は伸ばせ」が実践できない理由 (単行本)
ファイナンスセオリーをやっていると、結論はだいたい「楽に儲ける方法はない」か「no free lunch」であって、むなしいことこの上ない。お勉強した挙句、趣味のお勉強か、たかだかセールストークやプレゼンでしか使えないのは非常に悲しい。これに対して、行動ファイナンス系の理論は、まがりなりにもお金儲けのための学問である。人の逆を行き、群集心理を利用して、より儲けるというのは、実際に市場に関わる人々の間でもっとも賞賛されるパターンであり、それを市場参加者の行動のモデル化に基づいて理論化している点は、学術的ファイナンス業界の進化といえるかもしれない。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
拙い翻訳,
By 週末読書家 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 投資の心理学―「損は切って利は伸ばせ」が実践できない理由 (単行本)
原書は読んでいませんが、もとの著者陣を見て持った期待は完全に裏切られます。まったくの素人が翻訳したのかと思わせる内容で、時折意味不明になり読み進むことに苦痛を感じます。非常に興味のあるテーマだっただけに残念です。
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