本当に、心からこんな本を待っていました!と言いたいです。
この本は、ただ「知識」を伝えるためのものではなく、圧倒的な数々の困難・苦労の実体験に基づいた「知恵」の結晶です。
しかし、「技法以前にしないこと」を明確にしたことが、他の臨床家の書いた本との違いだと思います。
実際の向谷地生良さんとメンバーさんとのやりとりが、リアルに分かりやすく載っています。
自分も、実際に載っていたやり取りを参考にして、「死にたくなる」と訴える方に当事者研究を勧めてみました。
それまでのやり取りと違い、すぐにスンナリ研究を始めることとなり、いつもなら素直に言えなかったことがスラスラと流れ出て、話しがはずみました。自分も当事者研究ということで、協力者という横の関係がより強固なものとなる感覚を覚え、凄さを実感するとともに、普段の臨床を返り見ることが出来ました。
また、「今は、病気から降りていき、現実の対人関係や人生という苦悩・苦労に降りているというのは、良い降り方だね」と伝えると、「そうなのか、この苦労や不安はみんなに共通するものなのか」と話され、「死にたいは、生きたい」と実感されたみたいで、その方は笑顔となりました。
この本は、自分のバイブルです。