野谷さんの本はカバンの本も持っているのですが、この「革の品々」も同様に質の良い本だと思います。ここまで豊か・かつ丁寧な指導が載った本に会えるのはあまりないことです。私は革で仕事をしているのですが、革を素材に、バッグや日用品やアクセサリー類制作の紹介をしている本をこれまで何冊か読んで、はじめての人が革素材を扱うには誤解が生じそうな内容をよく感じることがありました。
趣向は様々ですし、人それぞれのアイデアや慣れによる作業方法があるのは勿論ですから、書を選ぶ側が自分の作りたいものと合っている本に出会えるのが一番だろうと思います。ただ、はじめて革細工を行う人には、はしょりのない基本を教えてくれる本書はとても良い参考書になると思います。
革、道具、材料(金具や芯材なども)、工程、テクニック、仕上げまで、きちんと懇切丁寧に載っています。基本を教えてくれ、作品の種類も充分なバラエティにも富んでいます。写真も多く、隅々まで読めば細かい説明もちゃんと書いてあります。ネットで調べても簡単にヒットしない作業のコツなども、この本にはいろいろと載っています。
革は安いものではないですし、作業道具も代用がきくものと難しいものがあります。基本になる情報がその道の人の視線で書かれた本を読めたら後々の革細工に大きく役立つと感じられる本です。