まず、テーラワーダ仏教に関しては、日本テーラワーダ仏教協会の長老の本が本屋の棚を席巻している昨今、タイのテーラワーダ仏教の大長老によるこの本は、万が一の思想の偏りを防ぐという意味で貴重である。
タイトルにもあるとおり、感覚に触れるものを追い求めるのではなく、逆に執着心を手放していく……そこに「悟り」があると大長老はいう。
禅でいうところの「あるがまま」にも似ているが、八正道や戒を実践していくなかで、煩悩が弱くなり、真理が自ずからみえてくるという点に、テーラワーダ仏教の特徴をみることができる。
実際に本を読むにあたっては、最後の方に用語集があるので、参考にして読みすすめた方が理解しやすいだろう。
いわゆる「瞑想」の具体的方法はあまり詳しくは書かれていないため、瞑想方法を知りたい人間には物足りなさが残るだろう。 しかし、悟りとはいったいどういうものか、普段の日常で「気づき」はどうあるべきかが知りたいならば、この本は非常に参考になるに違いない。