前に一度テレビで手塚夫妻の設計した住宅を見たことがあり、
その時は建築家の名前も知らなかったが、
とにかく気持ちよさそうな家だという印象は強く残っていた。
そのため『きもちのいい家』も表紙を見かけた瞬間、手に取ったし
本書も同様。
内容は『きもちのいい家』とは違い、解説もほとんどなく
ただひたすら夫妻の設計した38作品の
写真と図版が続くものである。
しかし建築物は雄弁だ。
写真を眺めているだけでも夫妻の哲学が伝わってくる。
こんな書は、稀だ。
どの物件も、家の中からの眺めと居住性の
絶妙なバランスからなっており、
心底そこに住まう/暮らす人々がうらやましくなる。
家を買ってしまった/建ててしまった人には
私を含め、嫉妬にさいなまれる一冊である。