雑誌漫画の制作現場のサブ・チーフとして手塚治虫の創作活動を最後までサポートした伴俊男+手塚プロによる、手塚治虫の人生を描いた作品。
画は丁寧に描かれていて変なクセも無く、違和感無く楽しめます。
ただ、もともと文庫の向けに作られた作品ではないため、文庫化に当たってはコマゴマとしてしまい、読んでいると目が疲れます。
しかしながら"コマゴマ"というのは、その分情報量が多いということでもあります。
物語はストーリーテラーとして"ヒゲオヤジ"を向かえ進行します。
時代描写を交えながら、手塚治虫の圧倒的な天才性や伝説、数々の名作が誕生するキッカケ、そして時折見せる作家としての苦悩が描かれています。
また、トキワ壮の面々を始め、数々の著名人が出てくるので漫画家同士の関連性も面白いです。
丁寧に描かれた画やできるだけ情報を詰めようとしたコマ割りに、作者の手塚先生に対する尊敬と愛情が見えていて、まさに「手塚治虫物語」というタイトルに相応しい作品に仕上がっています。
自伝ではありませんが、天才漫画家の60年間の生涯を描いた手塚版「まんが道」といっても良いのではないでしょうか。
手塚ファンなら読んで絶対に損は無いです。
他の漫画ファンには、漫画がどのような道のりを経て発展したのかを手塚先生を通して知るうえで、大変興味深い作品であると思います。
2冊に分かれて出版されてますが、大まかに分けて下記のような感じです。
●手塚治虫物語<1928-1959>
誕生から漫画界のスターになるまで(494ページ)
●手塚治虫物語<1960-1989>
アニメーションの制作から最晩年まで(377ページ)・漫画作品リスト収録