関西から関東圏に引っ越して、何とか東京の地理に詳しくなりたいと都内の名所旧跡巡りをしてみようと思うのですが、都内には思ったほど多くありません。関東大震災や東京大空襲の影響もあるのでしょうが、江戸時代からの東京の歴史と関西圏の歴史は文化財・旧跡の蓄積という点で、厚みが違いすぎるように感じていまオた。
そのため、週末土日は都内巡りは、おっくうになり、ついつい会社と社宅の往復の日々。そんな日々を打開するきっかけとなったのが本書でした。
本書の編集はメインとなるお店とその周辺イラストマップから構成されます。メインとなるお店は、ガイドブックにあまり登場しない、街を歩いていると街角にあるようなフツー感覚のお店が中心となっている点、好感が持てます。高級志向でなく、B級グルメでもない普段日常生活の感覚とでもいうのでしょうか(しかし、この記事について侮ることなかれ。例えば深川でなぜ桜鍋が好んで食べられたのかについては初めてこの本で教えてもらいました)
当該店舗を中心とした周辺の地理・店舗の説明が見開きで説明されますが、このイラストマップが秀逸。東京都内は建物が密集しすぎていて、一般の地図を掲載すると情報が多すぎて、目印が埋もれてしまう欠点があります。余分な情報を削いで、デフォルメしたイラストマップは街の特徴をよく表現して、目的の場所を見つけやすいという優れものです。
本書で紹介されるお店はほぼ23区をバランスよく紹介しているので、週末はこの本を鞄に入れて、それぞれのお店を訪問する。イラストマップを参考に周辺のぶらぶら散歩すると、各地が線に繋がり、最後には都内のイメージが「手みやげ」というキーワードで浮かび上がってくる。そんな使い方が出来る本です。まさに「meets regional」ですね。
ここまで誉めると、★五個ですが、表紙の「ホンマにいい店しか載っていません」は関西弁でいう「イチビリ」と感じますので、★一つ落としました。
追記
築地市場の紹介で、一般人は場内市場に入場が許可されていないという記述がありました。これは明らかに誤りです。一般人でも買い物可能ですので、築地を楽しんでいただければと思います。