鳥かごシリーズの3冊目になります。今回は1冊目で恋人同士になった賀野と冬稀を中心に話が進んで行きます。
相思相愛になっても、まだ隔離されて生きて来た冬稀は感情を表現するのはどこかぎこちないのですが、賀野の愛情で少しずつ変わっていったんだなと言うのを感じられるほど、前に比べて凛とした印象を受けました。
同僚の充紘との程良い関係や賀野の愛情で日常を送れるまでになった冬稀の周辺を嗅ぎまわる人物。施設で育った冬稀の両親に繋がっていく一本の線は、やがて望まないまでも冬稀を危険に晒しはじめます。
それでも、冬稀の意思を尊重する賀野の人柄の大きさ、そして時に見せる嫉妬が、二人の距離をどんどんと近づけて行き、大きなうねりの中で二人の会話や信頼関係がたまらないほどの安心感を与えてくれました。
冬稀の考えが、今までになく感情の欠片を携えていて、彼の壊れてしまいそうな美しさは賀野を得てもっと綺麗になったんだと感じました。
冬稀に絡むアカデミー時代の嫌な思い出と共に、新たに彼を優しく思う人が増えて、これからの展開がとても楽しみです。