世界史と言えば、「世界の歴史」中央公論社の28巻、或いは中公文庫で30巻を読みたい。しかし時間がかかる。途中で挫折する。高校生なら読み終わらぬ内に卒業してしまう。大学生なら受験も終わり二度と歴史関連書は開かない。社会人となり、或いは中高年となり、世界史を楽に全体を俯瞰してみたくなったら、本書は最適だ。タイトル通りに簡単に世界史の全体の流れが理解出来る。本書は全体を10章に分け、「人類の出現」から「21世紀は明るいか」まで85項目を基本的に各4ページ程度で解説する。文章も物語風な記述で読み易い。本書の姉妹書に「手にとるように日本史がわかる本」があるが、人名や事項がとにかく羅列状態で無味乾燥という印象が強い。304ページに日本史のエッセンスを詰め込んでいるので、単に圧縮された記録に近い。一方で本書は423頁にゆとりある文体であるのが良い。各項目の最終頁には、1頁或いは半頁で表・図・地図の纏めが掲載されている。これは「・・日本史が・・」よりは参考になる内容が多い。一般的に世界史をもう一度レビューして、忘れていたり、或いはうろ覚えになってきた知識を再確認したい場合、一般教養としてこの程度の世界史の知識はきちんと持っていたいと思う場合、本書は最適である。その中から最も相性の合う時代・地域の歴史を別の体系だった書でじっくり読むのが良い。大学受験に本書で世界史の勉強をしようと思う受験生がいたなら、これで受験が間に合うような大学には行かない方がいいだろう。