もともとは著者のお母さんの辰巳浜子さんが同じタイトルで出しておられたものを、著者が時代や日本の食品の変化に合わせ、また親子二代にわたる研鑽の成果を盛り込んで、新たに編んだ本です。(著者の最近の本を読むと、まだまだ限りなく進歩しているようで、その若々しいエネルギーに脱帽です。ちなみにこの親子には「娘につたえる私の味」「ゆずりうけた母の味」という著書もあります。おそらくもう絶版ですが)
手しおにかけるのは料理であるとともに、毎日の暮らしであり生きざまであるのです。読めばすぐその通りに作れるといったものばかりではなく、まず通読することで心構えが少しずつできてきます。手しおというにはあまりにも恥ずかしい、料理と呼べないようなもので娘を育ててしまった気がする私ですが、この本を開くと背筋が伸びて、今さらながらも本物をめざそうと思えるのです。食の危機が問われる今、やっぱり頑張らなくっちゃ。この本は少々厳しいけどあったかい教科書です。