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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「(アメリカン)弁護士にとって、法律は森のようなもの」だそうです,
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レビュー対象商品: 手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) (新書)
筆者は18歳で日本に留学、NY州の弁護士として10年以上の経験をつんで、2005年から日本で教鞭を取っています。日本人が書いたかのような本書の文体や思考の流れには、日本人の奥様の手助けは当然あったでしょうが、法律・法学の門外漢の自分でも理解できる読みやすさがあります。陪審員制度の章では、アメリカの法律制度が“政府に対する深い不信を大前提にしている”ことが背景にある、地方(一審)裁判所でしか陪審員制度がない、陪審員が「not guilty」と決めたら、絶対控訴できないなどを知り、いろいろなハリウッド映画を観て感じていた疑問が解けました。そして、一般市民が重要なことを決める、という理念がなぜ継承されているかに共感を覚えました。 裁判での勝敗に“本当か嘘かは重要ではあるが、決定的な要因ではない”というアメリカン弁護士の考えは、感情論では抵抗がありますが、言葉の定義、解釈や拡大解釈などでは、自分が過去に痛い目にあったような仕事を思い出し、思わずうなずいてしまいました。 筆者はさらに、有意義な主張のための重要な2点を挙げます。(その1)今ある法律は何のためにあり、何が目的なのか、(その2)法律はその目的をどのように果たそうとしているのか。それに対して自分がどう取り組むかは、“弁護士にとって、法律は森のようなものだ”という筆者の巧みな比喩が参考になることでしょう。そして、本書の核心部分もここにあるように感じます。 法律の本は難しいとこれまで敬遠していた自分ですが、その”玄関先”を垣間見れたようで面白かったです。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アメリカの弁護士を支える思考法と技術,
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レビュー対象商品: 手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) (新書)
「ロースクールの学生たちが身につけるもの、それは『弁護士の思考法』だ」。なかなか面白かった。著者は法科大学院の教授をしている日本在住のアメリカ人で、米国の弁護士資格を持ち、奥さんに助けてもらいながらも日本語でこの本を書いたそうだ。簡潔にまとまっているが、日本人が書いたアメリカ見聞録より流石にアメリカの法律事情や背景に詳しいし、日本のことを知らないアメリカ人が書いたものとは違って両国の法曹界の違いや国民性の相違をきちんと理解して書いてある。 世界を驚かした、M社で買ったコーヒーをこぼして火傷して3億円の賠償金という裁判の意外な背景。各州と連邦に分かれた膨大な法律と複雑な裁判の制度。陪審員制度の実際のルールと実像。弁護士という職業に求められるスキルとそのための授業。弁護士事務所の経営の実態。判例主義とその利点。弁護士に対しての細かい規則とその理由。なるほど、いろいろ言われるアメリカにおける法律とは、弁護士とは、そして裁判とは、こういうものだったのかと驚かされる。 一方で、いたるところでさりげなく、日本の司法制度についても、これでいいのかと読者に考えさせる材料を提供してくれる。なかなか巧みに整理して構成してあり、時折弁護士を扱った映画の話も出てきたりして、最後まで興味深く読ませる。日本とアメリカの法律に対する認識の違いを表した「箱」と「森」の例えとその説明も印象に残った。
12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
アメリカに限らず、「弁護士」という存在(役割)に関する優れた考察,
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レビュー対象商品: 手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書) (新書)
副題には「アメリカン弁護士の思考法」とあるが、当該テーマを論じるのは第2章及び第4章あたりのみで、他の部分は米国の司法制度全般に関するよき入門書という趣きの一書。(quizを多数交えるなど、叙述は大変面白く分かりやすい。)「アメリカン弁護士の思考法」の特質を一言で云うならば、それは事実認定を陪審が行なうこととの関係で、適切な「issue spotting」(法的に有意義な(significant)な事実の発見)とクライアントを擁護するための議論の正当化手法(アナロジーなど)の二点ということになろう。本書を読むと、特に米国の弁護士は、何よりもまず優れた言語能力が要求されることがよく判る。また、著者が最後に述べるように(204頁)、自分の良心が引き受けることを許さないような事件であってもそれを引き受け、なおクライアントのために最善を尽くす精神的なタフネスがなければ、弱者の権利を守ることなど出来はしないであろう。 その他、(1)「battery」(不法接触、損害や根拠のない恐怖感は要件としない)の議論や(2)「jury nullification」(陪審による法の無視、「not guilty」と「innocent」とは異なるということ)なども興味深かった。 それにしても、話は跳ぶが、自主独立の要諦が「三権分立」にあるとすれば、州が独自の自律的司法権を持つ米国の地方自治とわが国のそれとの開きは、依然絶望的なほどである。
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