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所有と国家のゆくえ (NHKブックス)
 
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所有と国家のゆくえ (NHKブックス) [単行本]

稲葉 振一郎 , 立岩 真也
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

社会の不平等はなぜ生じるのか?その原点を、「自分で作ったものは自分のもの」というロックに遡る利己的で排他的な「所有」の考え方に見出し、それに替わる「他者尊重」の清新な所有論を展開する。また「市場」が構造的に貧困を生むカラクリを明らかにし、政府の市場への介入や「分配」の理論的根拠を示す。国家の仕組みや人々の権利を原理的に考察しなおし、マルクス主義や権力論など社会再生思想の分析を通して、「もう一つの」資本主義を探究する注目の書。

内容(「MARC」データベースより)

社会の不平等はなぜ生じるのか。国家の仕組みや人々の権利を原理的に考察し直し、マルクス主義や権力論など社会再生思想の分析を通して、「もうひとつの」資本主義を探究する、刺激的な対論。

登録情報

  • 単行本: 301ページ
  • 出版社: 日本放送出版協会 (2006/08)
  • ISBN-10: 414091064X
  • ISBN-13: 978-4140910641
  • 発売日: 2006/08
  • 商品の寸法: 18.2 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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評価がどうも芳しくないですが、著名なお二人の対談。

たしかに、同じNHKブックスの対談、鼎談では、東浩紀・大澤真幸『自由を考える』のところどころ目から鱗が落ちるような刺激的な対談や、宮台真司他『幸福論』のように煮詰まった議論というわけではないが、ドラスティックな改革を予感させる試行錯誤をしていて、なかなか興味深い内容になっているように思う。
立岩は極めてストレートな論理である種の理想を表明し、それに対して稲葉が広範な知識でもって精緻化や批判を加えていくといったかたちになっている。ただし、編集がいまいちなのか、どうもすんなり読み進めることができず、ややストレスを感じる。これが低評価の原因であれば納得という感もある。ただ、立岩の別な書物を読むと、立岩の言葉づかい自体が読者を選ぶようで、私も苦手であり、この書物が読みづらいのもそのせいかもしれない。

出版されてから時間が経っているのもあってか、それほど目新しいと感じる話は出てこなかったが、所有の自明性を疑うこと(私は左翼リバタリアンに近いので、労働所有権ではなく、自己所有権の絶対性をむやみに解体するような議論までは感度がほとんどないが)、市場経済の初期条件をどこに置くかに敏感であること、一国での改善には限界があること、搾取という概念に対する信頼性などなど、自分でも普段から考えていることに色々と触れられていて、すんなり腑に落ちる話が多かった。
特に興味深かったのは、最後のほうで不平等の責任を問うことの困難について論じられている箇所であり、たとえば、盛山和夫は『リベラリズムとは何か』(勁草書房)で、こうした責任論を一刀両断していたが、それをも上回ろうとする野心的な議論を展開している。それが成功しているか、あるいはするのかは定かではないが、主張自体は一考に値すると思われる。
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形式:単行本
読んでから、もやもや感が残る書物だ。各章ごとの題で、テーマとされたものがすぐに消え去り、その課題の周辺が無定形に提出され、それらも即座にフローする。これは、お二人の対話に無理矢理題をつけたから、そうなったのだろう。だから、まともに読んだらイライラが募る。それでも、この本に示されたもの・ことは「我々が今いるところ」「限界まで突き詰められたところ」に示唆を与えてくれる(決して答えではない!)ので、読むことは決して無駄ではないだろう。で、その論点を把握するには、p259から読み始め、次にp52〜p63を読んでから最初に帰ると良いと思う。
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By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本
 立岩氏は本書で、「同じことはできるけれど倍の時間がかかる人」や「同じことを一日四時間だったらできるって人」の給与に言及する(p149)。あるいは「搾取」概念の意義を疑問視しつつも、「こんな汗水垂らして働いて苦労して頑張ったのに、そうじゃないやつに掠め取られちゃうっていうのはないよなって感じは、ぼくは正当でもっともな感覚だと思う」と述べ、「搾取のリアリティ」を救う(p241)。

 私はそこで障害者の授産施設のようなものを想起する。だが立岩氏は自分の参照点を具体的に明かそうとはしない。だから私たちは、彼の言葉を一般論として了解しようとする。稲葉氏の理論化の模索が、それに拍車をかける。しかし一般論とすれば、両氏の労働観はあまりに古色蒼然としている、と言わざるを得ない。

 岩井克人は近著『資本主義から市民主義へ』の中で、産業資本主義は資本主義の外部たる農村の存在に全面的に依拠して成立していた例外的な事態に過ぎなかったのに、マルクス経済学はこれを、生産する主体たる人間が剰余価値を生み出す内在的能力を備えているという人間中心主義の原理で説明しようとしたと批判している。本書の議論は、まさにこの産業資本主義の枠内で堂々巡りしてはいないか?

 p226で立岩氏は国家のあり方に関連して、氏の想定する「あるべき姿」と「現実の姿」の差分を語ると述べている。しかしその時「あるべき姿」は明示されず、ただ差分の分析だけが連ねられる。そこに氏の議論の分かりにくさがある。

 立岩氏の話法を、「病者の光学」をもじって「サバルタンの光学」とでも呼んでみたい気がする。その言葉を理解できるのは共に光源に立つ者だけだ。しかしより重要な点は、光がその光源を照らさないということだ。
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