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長宗我部盛親。現代から見れば「歴史のうねりに飲み込まれた不運な武将」の一言で片付けられてしまうような人物ですが、司馬遼太郎は盛親を「自分の生涯の意味を考え、悩み苦しむ青年」として、日常生活から合戦の場までを細かく、リアルに描いています。この点は小説家司馬遼太郎の非凡な力量が発揮されているところだと思います。
そのため、本書は歴史的のおもしろさよりも哲学的なおもしろさが強く、人生について考えさせられる一冊と言えます。特に、盛親が夏の陣へ向かう直前に発した言葉が印象的であり、またこの一言に本書の内容、メッセージが凝縮されていると思いました。
「人間の一生が仕合せであったかどうかは、息をひきとるとき、自分の一生が納得できるかどうかできまることだ」
最終的に盛親は、冬の陣、夏の陣を通して自分の才能を存分に発揮し、その武名を日本中に轟かせるほどの活躍をします。その後まもなく盛親は最期を迎えますが、自分の一生に納得して息をひきとったと思います。
何を持って納得できる一生と言えるかは、人それぞれです。小さいことをコツコツ続けること、大きな仕事を短期間で成し遂げることなど、本当にさまざまですが、一度しかない人生、最期のときには誰でも納得して息をひきとりたいと思います。
自分にとって本書は、いろいろなことを考えさせられる一冊でした。歴史を通して人生を考える機会がもてる、非常に意味のある一冊だと思います。
父・元親は長男・信親の死後、ショックで急速に変化してしまいます。... 続きを読む
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