戦略・戦術レベルで中世の戦争に着目した書物で、戦闘・戦技レベルの話について知りたい方にはおススメしない。
また、戦闘・戦技レベルの各兵科の特性が、いかに戦術レベルの問題に関係したかについても記述に乏しく、以上にあげた点については原書房の「図説 中世ヨーロッパ 武器・防具・戦術百科」の方が優れた記述が多いように感じる。
全体的に興味深い本であるし、一読の価値はあるが、以下の点が個人的には気になった。
・歴史書としても軍事書としても評価できる反面、両方の側面について中途半端な感が否めない。
・事例としての歴史的事実に関する記述と、一般化された兵科運用の特性についての記述が必ずしもリンクしていなかったり、記述位置の一貫性にかける。
・歴史的事実に関する記述が時に冗長に感じられる。
以上の個人的レビューが、本著の価値を否定するものでないことは最後にもう一度付け加えておきたい。