登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
保阪正康『特攻と日本人』とともに。,
By
レビュー対象商品: 戦艦大和―生還者たちの証言から (岩波新書) (新書)
過去には早乙女勝元や山中垣らによる銃後を描いた本を世に送り出してきた岩波新書だが、本書もまた、これまでの名著に引けを取らぬ力作である。大和誕生から沈没までの戦歴のみならず、大和乗組員達の艦上や停泊地での暮らしぶり、悲惨な戦場の様相が、生還者たちの証言によって再現されている。生存者達の戦後、そして遺族の戦後もフォローされており、衝撃的だ。数多くの生存者・遺族への取材によって真摯に「証言」を汲み取る作業をされた著者の仕事には敬意を表したい。「大和は、見る者の歴史観を映す鏡である。」(P213) 日本の科学技術の結晶であり、戦後の造船業界の興隆の基盤となった大和。愛する郷土や家族を守るために死地に赴いた兵士達の象徴としての大和。天皇の「お言葉」を契機に、慌しくろくな準備もないままに「思いつき」でなされた拙劣な特攻作戦に投じられた大和。 一方では戦没者の死に意味づけを求める遺族がいる。しかし、他方で、大和を「美化」することには反対する遺族もいる。前者の感情にも大いに共感する。しかしながら同時に、「強制された特攻」によって、家族を残しての不本意な死を迫られた彼らに、「郷土と愛する者を守るために闘った」とする美談調の意味づけを与えるのは、やはりなにか大事なことを捨象しているように思われてならない。 大和の経験を、そしてあの戦争の経験をどのように記憶していけばいいのだろうか?映画にミュージアムと「大和ブーム」が沸く今日にあって本書からはそんなことを考えさせられた。
15 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
かけがえのない証言,
By
レビュー対象商品: 戦艦大和―生還者たちの証言から (岩波新書) (新書)
軍艦、とくに戦艦、なかでも「大和」と「武蔵」は、まるでそれ自体ひとつの生命体のように語られることが多い。「戦艦大和の誕生」「戦艦武蔵の生涯」といった具合に。しかしまぎれもなく両艦とも数千の将兵によって操船されているのであり、人がいなければただのフネ、浮かぶ鉄の塊にすぎない。そんな当たり前のことを改めて気づかせてくれた一冊である。 時間を追って、「大和」の歴史と乗組員当事者・遺族の証言がほどよいバランスで語られる。 いちばんページが割かれるのは坊ノ岬沖海戦、いわゆる沖縄特攻だ。 当然ながら「大和」は自らの意思を持って特攻したのではない。「大和」の乗組員も最初から望んで沖縄に向かったのではない。作戦命令だったからである。むろん拒否はできなかった。 それをあたかも殉死のように扱う風潮はおかしいと思う。 本来軍事合理性に基づいて策定すべき作戦が誤っていたのである。「大和」も「武蔵」も、帝国海軍の拙劣な作戦によって「沈められた」ようなものである。 当事者や遺族の個々の証言を積み上げることで、そのことがよく伝わってくる。 著者の個人的な感慨や見解には全面的に首肯けないところもあるが、それにしても沈没後60年以上経ての生存者・遺族の証言は貴重だ。 読み了えた時、実体験者の証言が得難くなっている昨今、なんとか「ぎりぎり間に合った」感を抱いた。これは著者とまったく同感である。 本書(初刷)12ページに「国会」とあるが、正しくは「議会」(帝国議会)であろう。ときおり、新聞記者とは思えぬ、基本的記述に不安を感じる部分がみられたのが残念だった。
11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
『戦艦大和ノ最期』の補助文献として,
By
レビュー対象商品: 戦艦大和―生還者たちの証言から (岩波新書) (新書)
数々の「神話」に彩られてきた第二艦隊沖縄水上「特攻」作戦について、天皇の御下問に慌てた無思慮な海軍上層部が短兵急に作戦決定したというその経緯(いきさつ)をはじめとして、「片道燃料」や「手首斬り」の真相などに関し、興味深い事実がテンポよく語られる。戦争の真実と悲惨さを伝え、今後同作戦に関する必読文献になると思われる一書。それにしても、筆者の「大和は、見る者の歴史観を映す鏡である」ということばは重い。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
|
|