「戦艦ポチョムキン」は活き活きとしたテンポの良い映画なので、気に入って幾度となく観ています。先日映画館で回顧上映が行われたときに大きなスクリーンでも観ましたが、80年以上前に作られたこの白黒無声映画が今でも活劇としての鮮度を失っていないことに驚嘆しました。ただし、そのとき上映されていたのはこのマイゼル版ではなく、ショスタコーヴィチの音楽がつけられた1976年版でした。
ショスタコーヴィチ版はこれまでに何度かDVDとして発売されてきましたが、私は購入をためらっていました。画質がイマイチだったからです。映画館やレンタルで観るときは、フィルムが傷んでいようが画面がちらちら揺れようが楽しんで鑑賞できましたが、ソフトを購入するとなると話は別です。繰り返し観るために買うのだから少しでも画質の良いものが欲しい、そういう版が出るまで待とうと私は考えていました。
(※もちろん、ショスタコーヴィチ版DVDと映画館が同じフィルムを使用しているとは限りません。)
そのような要求を最も満たしてくれるのが、現時点ではこのたび発売されたこのマイゼル版だろうと私は思います。
「戦艦ポチョムキン」は度重なる検閲のせいでオリジナルのネガが散逸してしまった映画ですが、パッケージの説明によると、この版は「世界中から最高の画質のプリント」を集めて復元された「これまでで最も原型に近い」版だそうです。原型との比較は行うすべもありませんが、マイゼル版がショスタコーヴィチ版より画質が優れていることは間違いありませんでした。日本語字幕は大幅に改編されていますが、その点に強くこだわる方以外にならこちらを推薦したいと思います。
画面に着色した赤旗がはためくのも、DVDではこの版だけです。