時間のある週末などに、安く手に入るパブリックドメインの映画を見ることが時々ある。
大体は退屈なものが多いのだが、これはオススメの1本である。
1787年に起きた英国船『バウンティ号』の反乱を映画化した作品。
この映画も1935年制作とかなり古いが、モノクロなのでそれほど不鮮明でもなく、海上の描写も迫力があって惹きつけられる作品になっている。
船員の多くは囚人や徴用されたもので構成されるのだが、冷血無比なブライ船長の悪行に次第に船員たちの不満は高まっていく。
帆船時代の2年の船旅の過酷さは想像にあまりあるが、逆らえば鞭打ち、更に食料がなくなれば盗みの嫌疑をかけられ食事も制限される。
デッキ掃除で膝から出血したので水をくれと言えば、ロープで逆さ吊りにされ、海に落とされる。(この船員は、これで死んでしまう。)
ひどい時には厳しい太陽の日差しの下、何時間もマストに縛り付けられてしまうのである。
苦しい航海の末、楽園タヒチに着くと、船員の意識は劇的に変化し、反乱の導火線に火がつくのである。
タヒチ到着の場面は、この映画の中でも素晴らしいシーンであり、島民は何十隻もの小型船で『バウンティ号』を出迎える。
島民は善良で女たちは美しく、島には食べ物があふれ、ミルクさえ飲めるのである。(航海中チーズが盗まれたと騒ぎになった経緯があるのだが)
若いクラーク・ゲイブルとタヒチ美女とのロマンスも見ものだが、冷酷なブライ船長と船員との対立が明確に描かれているために、娯楽映画として今日見ても十分に楽しめる映画である。