本書は「戦略的ブランドマネジメント」の第3版である。
初版が出た後、著者のケビン・レーンケラー氏はフィリップ・コトラー氏の「マーケティング・マネジメント 第12版」で共著となり、日本でもマーケティングを学び始めたばかりの大学生から季語湯の実務家、研究者の間で大いに知名度が向上した。
しかしながら、この「戦略的ブランドマネジメント」はけしてそういった人々にお薦めできる本とはいえなかった。
その理由として、数年前、初版を読み終えた後、レビューとして以下のような一節を記した。
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本書を「買おうか、どうしようか?」と迷われている方であれば、現代のマーケティングにおいて、ブランドへの理解なくして、的確な施策を打ち出していくことが困難なことはご理解いただいていると思います。
ブランド・ビルディング、ブランド管理の意識なくしては、商品開発も、セールス・プロモーションも、広告作りも、広報も、バラバラになり、企業としての息吹をそこに与えることはできません。
本書は、ブランドについて体系的に理解するにはおすすめの本です。ブランドに関する基礎からきちんと整理して順序だてて書かれているので、ブランドについてきちんと勉強してみたい方から、今までのブランドの知識を整理したいという方まで、役に立つと思います。
ただ、とてもよいことが書かれているのですが、翻訳がこなれていなくて用語も堅いのがとても残念。
大学の教科書や学術書であれば許容されるレベルですが、実務家がビジネスに応用するにはなんだかまだるっこしい。
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翻訳がこなれていないがために、せっかくの濃厚な内容がかえって読むのに苦痛となっていた。
そしてその後に出版された第2版といえば、アップデートされたところだけがまとめられたダイジェスト版で、初版を買った人でなければ意味不明という一冊であった。しかもその初版はといえば前述のとおり。
この第3版では、しっかりとした内容はそのままに翻訳が大幅に見直され、ぐっと読みやすくなった。
初版から10年の時を経たということもあり、第5章「マーケティングにおける新たなパースペクティブ」、第8章「ブランド・バリュー・チェーン」、第11章「ブランド・アーキテクチャー」などが加筆され、また事例が大幅に見直されており、iPodなどの新しい事例が積極的に取り入れられている。
まさに、ブランドについて体系的にまとめられた一冊として、豊富なブランドの事例が紹介されている資料として、しかも読みやすくまとめられ、実務家から研究者にまであらゆる人におすすめできる一冊となった。
ちょっと分厚いけれど、読む価値アリです。