本書はマーケティングにおけるデータマイニングの活用手法を慶應ビジネススクールの
教授陣が実際のアスクルの顧客購買データを基に解説したものである。
大きく3部構成となっており、前半1/3は池尾教授による一般的なマーケティング論の解説
真ん中の1/3は井上教授によるデータマイニング手法の基本的な解説に充てられいる。
最後の1/3が本書のメインであり、二人の教授陣がアスクルのデータを実際に”料理”を
行っていく。(よって、基本的知識のある方は前半2/3は読み飛ばしてかまわない)
本書の特徴としては、
(1)オーソドックスな手法を最大限活用している
回帰分析、クラスター分析等のオーソドックスな手法を駆使しており、
実務家には参考になる
(2)文字通り「本物」のデータを用いている
従って、実務において頻繁に発生する回帰分析の多重共線性の問題に対して
従来の教科書的説明(=回避する)ではなく、解釈の仕方を注意することで
現実的に付き合っていく方法が示されている
(3)定性的意味付けがなされている
分析結果に対する解説がベテラン教授らしくさすが。上司の説得には、
t値やp値ではなく、マーケティングの視点から結果を解釈し説明することが必要
であり、実務家にとって明日からの仕事に活用できそうなTIPSが満載である。