現在の日本の小売業界は、価格競争一辺倒による体力消耗に陥っているだけでなく、結果的に消費者ニーズに反する魅力に乏しい同質的な売り場を提供している。これは、90年代のアメリカの小売業界が直面した状況と同じであり、それを救ったカテゴリーマネージメントという管理手法を本書では紹介している。日本では従来、商品の棚割的な発想でしかカテゴリーマネージメントを捉えていない向きがあるが、真意は、消費者のニーズを起点とし、製配販協働の上に成り立ち、カテゴリーを最小のビジネスユニットとしてポートフォリオ管理する事にあると説いている。大型外資が日本に次々参入を果たし、競争が激化する小売業界。これから必要になる発想の転換について、一貫して日本の流通構造を研究分野としてきた著者が、現状における問題点を絡めて具体的に指し示している良書。