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この本は、著者自身の経験に基づいて、窮地に陥った企業(事業)を立て直すに何をすべきかを、とても読みやすい小説のようなケース+解説で説明している。ケースで読者に考えさせながら、その時点で必要な分析手法や考え方・行動などを説明しているため、実際の企業再建の事例として面白く参考になるだけでなく、いわゆるコンサルティングの分析手法も学ぶことができる。
今から10以上も前の本(初版は1991年)だが、その時点で「実現できない戦略を立てることは、かえって事業展開を遅らせる要因になることもある」とか、「日本企業には熱い心と論理の結合が必要」など、最近盛んな議論を先取りしているのはさすが。また、企業の経営者の立場から、野中郁次郎教授の「知識創造企業」のコンセプトに異論を唱えており、最近の「ナレッジ経営」の流行に一石を投じているのも面白い(もちろん、10年以上前に書かれたので、著者はそんなことは意識していないだろうが)。
この内容が文庫で読めるのは、ありがたいこと。電車でも読めるような読みやすい内容であり、企業の再建を行わなくてはならないミドル・マネジメントやコンサルタントなどは、「基本」として押さえておいて欲しい好著。この本の次は、同じ著者の「V字回復の経営」も是非読んで頂きたい。こちらも、魂が震えるほどの好著。
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