著者は、ハーバードで博士号を取得した一流大学の有名教授である。さすがに前半の論の運びはわかりやすくためにもなろう。しかし、「オープンシステム」だ、「ORからAND」だなどと今さらではないのか?安易ないしは、いささか雑駁なのではないか。また、買収も「オープンシステム」の一環として捉えられるとの主張にも違和感がある。通読すると、独創性には欠けるが要領のいい大学院生のレポートを読んだ気分にさせられる。日本企業の成長戦略の「骨太な方針」を示すと評価するレビューもあったが、特段、新しい発見があるわけでも、従前観察されたことがらを鮮やかなロジックで説明したものでもない。他の方のレビューの評価が高いのが不思議に思える。この程度の内容(概念整理)が、わが国気鋭の経営学(者)の一応の到達点だと思うと悲しくなる。しかし、著者の経歴をみると少し得心がいく。著者は経営コンサルタントだったのだ。学者ないしは実務家の著作ではなく、あくまでコンサルタントの著作として読むべきではなかろうか。