本書のテーマは、合宿である。
全社的な重要課題を、キーパーソンが泊まりで集まり、結論が出るまで議論することである。
現在、経営の中枢にいる人やこれからそこを目指す人にとっては、特に興味深く読める本だと思う。
本書のハイライトとして、読み応えのあるところは、
議論は煮詰まったあとに必ずブレークスルーがあること、また逆に、ブレークスルーを得るためには妥協なく煮詰める必要があるという当たり前のことがストーリー形式によって実に腹落ちできる構成になっていること。また、リアルタイム議事録の例が紹介されていたが、議事録の作り方が議論の流れに重要な影響を与えることをうまく活写しているところ、である。
逆に改善したほうが良いところは、
本の中で紹介されている事例が事実に基づいたものか、単なる作り話か判然としないことであり、端的にいえば、「世の中そんなにうまくいくかね」という疑問を禁じえなかったことである。
とはいえ、そのことは本書の評価を決定的に下げるものではなく、全体として、よく出来た本であると評価できる。会社の外に出ると、気分が変わり、質の高い議論ができそうな気がしている。