私はこの書籍の原著者、William Duggan氏、による 「Napoleon's Glance」(ナポレオンのひらめき)という題名の 著作を原文で読んだことがあります。その本と今回の本の主題はほとんど同じで、何か事をなすに当たって成功した歴史上の人物達を例にとり、直感に従って勝てる戦いに照準を絞り道を切り開いて行くことの有用さが語られていました。最終的な目的を設定し、それを達成するための道筋や手段や道標を予め設計してから事に臨むのが戦略であり、そこにひらめきなど関係ないと思っていた私にとって、「Napoleon's Glance」(ナポレオンのひらめき)の読後の衝撃は相当なものであり、是非邦訳版によって日本の人たちに広く知られるよう望んでいました。この本では、私が以前読んだものの続編/補完版であり、人物の例として、コペルニクス、ブッダ、ビルゲイツ、JFケネディなどが追加され、一層わかりやすくなっています。最近読んだビジネス書の中で最も興味深かったうちの一つです。なお、この本では大人物たちが直感だけで大事をなしたと言っているわけではありませんが、とくにそうした注記などはないので、直感がすべてだと錯覚しないほうがよいと思います。経営の参考に読むのであれば、読む側の意識としては、他の重要な分野(戦略/ファイナンス/リーダーシップなど)と合わせられて初めて直感/ひらめきが機能を果たすのだという理解を忘れないほうがよいと感じました。