戦略はプランニングする時代ではなく、不確実性に備えた柔軟性を持つべきだというのは否定しない。ビジネス環境の変化に合せて軸を設定し、各変数の程度に合わせたシナリオを創るべし、という考え方も同様だ。
ただ、シナリオ以降の記述については、二次データに基づいた一般的な解釈・評論の類が多く、戦略云々の書籍としては洞察不足と言わざるを得ない。紙面を埋めるための情報の寄せ集めと受け止められないこともない。業界別の情報は割と幅広く集めていて、業界事情に興味のある人にとっては有益であろうが、これら情報価値は時間の経過によって目減りするので、本書の賞味期限自体もあまり長くはないと思われる。「業界動向を少しだけ戦略的な枠組みで解説した書」という位置付けが妥当。