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戦時標準船入門―戦時中に急造された勝利のための量産船 (光人社NF文庫)
 
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戦時標準船入門―戦時中に急造された勝利のための量産船 (光人社NF文庫) [文庫]

大内 建二
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

原則として戦争期間のみの使用を目的に物資や人員の輸送を行なうため造られる船。こうした船舶を第二次大戦中に保有したのは米国、英国、そして日本だけであった。独創的設計や斬新な技術を採用し、リバティー型、エンパイヤ型を量産した米英と戦時急造の概念に欠けた日本。各国の運用思想の違いに見る成功と失敗。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大内 建二
昭和14年、東京に生まれる。37年、立教大学理学部卒業後、小野田セメント株式会社(後の太平洋セメント株式会社)入社。中央研究所、開発部、札幌支店長、建材事業部長を歴任。平成11年、定年退職。現在、船舶・航空専門誌などで執筆。「もう一つのタイタニック」で第4回海洋文学大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 298ページ
  • 出版社: 光人社 (2010/6/30)
  • ISBN-10: 4769826486
  • ISBN-13: 978-4769826484
  • 発売日: 2010/6/30
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 0.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 能登
形式:文庫
 これまでの大内シリーズを通読している人には極端に珍しい内容ではないですが、同シリーズの傾向として日英米を5:2.5:2.5ぐらいに比較して手堅くまとめている感じで、軽く流れを抑えるにはよい読み物だと思います。

 ただし、といっては何ですが、視野が設計中心になっているため所々怪しい記述があるのも事実です
 大きなところを言えば、日本の戦標船が実質的に戦時設計に切り替わったのは二次からであり、実質的に稼働し始めたのは昭和17年半ばからだという要点のまとめ方も、間違ってはいないのですが、これを関係各所の見通しの甘さと書いてしまう辺りには注意が必要でしょう。
 大陸での戦火が激しくなってくるにつれ、特設艦船への改造工事や、徴用船舶の傭船開始前の点検補修が激増しおり、こういった軍官工事は予算的な話もあり期日厳守で作業が行われます。当然、そのしわ寄せは納期に余裕のある民間船にくるわけですが、戦前の段階で艦艇は3月末に進水・竣工&引き渡しし、4月は中だるみとなり、5月に商船の進水が(ry な傾向がみられます。対米英戦を企図し、出師準備が発動された昭和16年半ばよりの1年間は実際問題手持ち工事の処理に追われ、続行船と戦標船を問わず着手できなかっただろう事は想像に難くなく、海務院と艦政本部商船班がある程度の権限を確保して建造予定船と修理船を切り捨て、線表を白紙にできたのが開戦半年後の17年半ばだったという事でしょう。
 
 他にも溶接の問題も、技能工だけの問題ではなくて溶接棒の材質や、鋼板規格の切り下げに伴う工作の再確認が必要になったとの視点は触れられておらず、設計を裏付けする「現場工作」からの視点や、舶用鋼材のうちの特殊鋼の不足が船尾機関船の採用を促したといった点にも触れられていません。

 また、改E量産用の4造船所(三菱若松、播磨松浦、石川島東京、川南浦崎)で学徒の勤労奉仕や囚人・俘虜の使役について触れる一方、工場レイアウト以上の母体造船所とのリンクや、各々が異なるレイアウトを採用した経緯は省略されているため、船台と内業工場が増えた以外の生産効率の確保といった面での意味合いがつかめず、結果として別小節にある被曳航油槽やコンクリート船、または三菱広島の新設造船所(A型量産用)といった戦標船トータルの量産にまで話が繋がっていきません。
 同時に、鋼材では艦艇優先で商船用が逼迫したものの、木造船も海軍の特務艇建造へリソースが食われて新設造船所や集約工場を作る必要が出てきたといった面へリンクするに至っていません。

 あくまで「入門」を冠しているので、刊行された内容以上のものを書き込もうとするとウラの取れないところが中心になるのでしょうが、業界全体で量産させるために艤装図や工作図(ノウハウ)を吐き出させたり、人員を交流させたりといった物品以外の部分や、期日厳守にばかり追われて残工事を担当船会社の手配で修繕用造船所で辻褄合わせ足りといった辺の部分も少しでよいので整理できれば、「戦時標準船」が意味する「量産」がもう少し纏まって理解できるのでは無いかなと思います。
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By TI
形式:文庫
古川達郎『鉄道連絡船の100年』にあるとおり、この本では「未実現でどんな形になったか興味深い」的
な扱いを受けている国鉄H型船は、戦後になって青函航路の車輛渡船『石狩丸'T』として竣工しています。
巻末の参考文献には上記古川氏の書籍が挙げられているので、筆者の見落としは残念です。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By KGR87
形式:文庫
 あの戦争に根こそぎ駆り出された日本商船隊は日本海軍の粗雑な年度別損耗率に反比例して莫大な被害を蒙り、その穴埋めのため泥縄的に戦標船が量産された経緯を本書は子細に検証している。
 一体このような低質の船に乗り組んで戦火の海で挺身した船員諸氏の苦労は如何ばかりであったろうかと畏敬の念に駆られる。
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