信じられないことに、彼等は、本国では何故か冷遇されていた。
元々、1stとIIの音質が極端に薄っぺらで、楽曲のスケールと大きくかけ離れていたことの主たる要因は、先ず、そこにある。
レコード会社に力を注いで貰えなかったのだ。評論家にもひどい扱いをされていた。
それにしても、どうして、彼等の創造性・芸術的潜在能力を見抜けなかったのか。
いや、彼等はそういう、ありきたりの枠を最初から軽々と超えていていただけ、と、近年では考えることにしている。
私達、日本のファンの方が、よほど先見の明があったという訳だ。このことは本当に誇りに思っていい。
LPレコードを買って、初めてこのアルバムを聴いた時"Keep Yourself Alive"のBrianのギターに革命的なものを感じた。
特に間奏の解放感、地平線が拡がってゆくような感じ…新しい時代が来たと思った。"My Fairy King"の暗闇を突き抜けるようなハイ・トーン。
繊細すぎて儚げで、年齢も性別も次元も超えたFreddieの歌声が甘美で、気が遠くなりそうになった。
"The Night Comes Down"や"Doing All Right"の格調高く、叙情的な美しさにも、体が震えた。
"Liar"は、後の"Bohemian〜"や"Somebody To Love"に繋がるスケールの大きな<不条理>ソングの原型だと思う。
BONUS EPは、このアルバムよりも更に前の音源だ。音は悪い。しかし、音質以前の、煌めきが鏤められている。
危うく、未完成な部分がまた、とてつもない魅力となって弾けている。
本当にときめいた。思いがけず、古びた宝石箱に出くわして、ドキドキしながら開くと、中には原石がいっぱい。
どのように研磨され、彩りと輝きを増して行くか、ストーリーを知っていても、わくわくしてしまう。
本当に素敵だ! 最高!