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戦後日本が失ったもの  風景・人間・国家 (角川oneテーマ21)
 
 

戦後日本が失ったもの 風景・人間・国家 (角川oneテーマ21) [新書]

東郷 和彦
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

戦後、豊かさと平和を教授した日本が失ったものとは何か。34年に及ぶ外交官生活を送った著者が問う、日本復活の処方箋。

内容(「BOOK」データベースより)

平和の代償に日本人は何をなくしたのか?新しい日本の国家ビジョンそのヒントは「江戸」にある。日本が見失った大切なものを回復する試み。

登録情報

  • 新書: 258ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010/8/10)
  • ISBN-10: 4047102504
  • ISBN-13: 978-4047102507
  • 発売日: 2010/8/10
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
著者は、外交官から学界へと転じ、活動地域は、日本から世界に亘っている方です。

そうした長年の経験による豊富な実例に裏打ちされた考え方が、本書の骨組みになっていると思いました。
前半は、「景観」を中心にした日本の現状への怒りがテーマで、共感する方も多いでしょう。
私も時々ヨーロッパに行きますが、帰ってしばらくの間、日本はどうしてこんなに醜いのかと思います。
そのうち、生活の便利さと日々の忙しさにかまけ、忘れがちになりますが、この本は、執拗に、その風景の喪失感を掘り下げています。
後半は、なぜそうなったのかについて。とりあげている問題は、ナショナリズム、皇室、弱者、哲学、教育、グローバリゼーション等々幅広く、
それぞれユニークな視点がありますが、要は、戦後民主私議で個人の権利を尊重しすぎた、「公」をとりもどせと主張されているようです。
これからの日本について、ゆきついた結論は、「開かれた江戸」というメッセージです。
藤原正彦先生が、文藝春秋に最近書かれた「日本国民に告ぐ」にも同じ考えが記されていたような気がします。
ただ、あえて言えば、もっと具体的な解決策・提案を求めたい、とも思ったのですが、その答えを、読者、というか、
国民に求めている、国民にボールを投げかける、というのが著者の姿勢なのだろうな、と推察しました。
とにかく、爽やかで重厚な読後感ででした。
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開かれた江戸 2011/2/19
By PIVO
形式:新書
「風景と公の心を持つ新しい日本のアイデンティティが生み出せるか否か」が著者の関心であり、「開かれた江戸」を主張する。著者は元役人であるが、役人らしくない分かりやすい文章で自論を展開する。「戦後日本が失ったものは、日本の自然とそれに調和してつくられてきた歴史的な風景であり、また、そういうものを大切にしていこうという日本人の心である。」(132頁)「戦後の日本の経済発展と民主主義の中で、個人の権利と生活の便益を宇和間ある上回る大切なもの、公の心とも言うべきものを、私たちは失ってきた」(224頁)には共感。
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By くにたち蟄居日記 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 感想は二点だ。

 一点目。著者は日本の風景が醜悪になった点を嘆く。確かに欧州では、街並みへの美学を強く感じる場面が多い。観光地のみならず、普通の街においても、である。それに比べると、日本人の無頓着ぶりは際立つ。

 但し、著者が理想とする日本の風景がいつの時代のものなのかが見えない。明治時代なのか、江戸時代なのか、縄文時代なのか。
著者は奈良の長谷寺の風景を讃え、かつ新しい美術館が景色を壊していると嘆く。長谷寺も創建された時代には、景色を壊す建物であったのではないか。年月を経て、今は自然の一部に溶け込んだだけではないのか。

 著者がノスタルジーを感じている日本の風景も、それが作られた頃には美学ではなく、実用の一点で作られたものではないか。建築史には知見がない個人の意見にて正誤は分からないが。

 二点目。著者は日本人のアイデンティティが失われつつあると言う。

 これを考えるには「では いつ どのようなアイデンティティが日本に有ったのか」という問題設定が必要だ。そもそも「日本人」というものが出来たのは基本的には明治以降ではないか。それ以前は、「日本」という発想自体が希薄だったと聞く。

 そう考えると、日本人のアイデンティティとは明治以降の ある段階に存在し、それが無くなってきているということなのだろうか?

 僕は思うが「まんが日本昔話」というシリーズは案外僕らへの影響が大きい。僕らは、あのアニメで「昔の日本人のあり方」と刷り込まれた気がする。但し、あそこで語られる昔話とは、フィクションだ。
 アニメで原日本人像が作られてしまってはいるとしたら、「失われたアイデンティティ」というものも幻想ではないか。であるなら今やるべきは、再度、今ここで新しいアイデンティティを構想し、新たな幻想として打ち立てるという戦略ではないのだろうか。
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