『戦塵外史四 豪兵伝』です。大陸、を舞台にした短編集です。
「人斬り」「豪兵伝」「女人像奇談」「工房小話」「最後の仕事」「導く女」「轍の記」「農夫の剣」の8作が収録され、作者がかなり昔に雑誌やアンソロジーで発表した作品が、これでようやくまとめられました。
個々の作品の「キレ」については、花田節を既知の方に対してはもはや説明不要なのですが。
英雄というほどでもない、歴史の中に埋もれながらもその時代を力強く生きている人々に焦点を当てた作品です。
よく切れる剣の意味は何なのか、を描いた「工房小話」、年老いた飄々とした役人が、飢饉対策としてとある作物の栽培に挑む「最後の仕事」、戦塵外史としては異色な、エロティックで妖しい話「女人像奇談」、補給部隊に参加した一人の回想という形の「轍の記」、などなど、無名の人物への焦点の当て方、作品の切り口というかアプローチの仕方、が心憎いばかりの名作ぞろいです。
この巻以降は、戦塵外史の新作ということになりますが、今後にも大いに期待です。